2004 Fiscal Year Annual Research Report
血清型に関わらず有効な魚類エドワジェラ症ワクチンの開発
Project/Area Number |
14360111
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
川合 研兒 高知大学, 農学部, 教授 (60127925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 俊一郎 高知大学, 黒潮圏海洋科学研究科, 助教授 (80325406)
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Keywords | エドワジェラ症 / 外膜タンパク質 / 共通抗原 / ワクチン / 魚病 / リコンビナント / GAPDH |
Research Abstract |
魚類のエドワジェラ症原因菌Edwardsiella tardaには血清型が多いことから、これまでワクチンの開発は難しいと考えられていたが、申請者は本菌の外膜タンパク質(OMP)のなかで種に共通な37kDaのタンパク(C-OMP)に注目し、本ワクチンの実現に向けて、1)C-OMPの菌種内共通抗原性の確認、2)C-OMPの分子的性状・構造の解明、3)C-OMPのリコンビナント生成法の検討、および4)C-OMPで免疫した魚における免疫応答の確認を本研究で行った。 その結果、1)6株の血清型が異なる菌株で共通に存在することを確認した。2)本抗原のアミノ酸シーケンスおよび遺伝子塩基配列を完結した結果、本抗原は細菌およびその他生物に広範に存在する酵素GAPDHであることが明らかになった。3)大腸菌を用いたC-OMPのリコンビナント生成の方法を確立した。また、リコンビナント生成したC-OMPはGAPDHの酵素活性を有することも確認した。4)E.tarda菌体から精製したC-OMPおよびリコンビナント精製したC-OMPをヒラメに免疫し、血清型間の共通性の確認を行った。また、両C-OMPの抗原性については、異なった血清型の菌株で攻撃実験を行い、該当する血清型の菌株はもとより、異なった血清型の菌株との交差免疫原性も確認した。なお、予定していた実験項目「抗原性の高いワクチンの作製に向けて、C-OMPのリコンビナント生成物やこれに対する抗血清を使用して、抗原性の高い菌株の検索および抗原性が高くなる培養方法の検討を行う」については、リコンビナント生成により、十分量の生成物が得られることが確認できたので、あえて菌株選択の検討は行わなかった。
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Research Products
(1 results)