2004 Fiscal Year Annual Research Report
輪作採用度要因の解明による持続的土地利用確立に関する研究
Project/Area Number |
14360124
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
志賀 永一 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (50235511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 巧 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40178413)
兪 炳強 沖縄国際大学, 商経学部, 教授 (80310069)
原田 淳 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (30241847)
松村 一善 鳥取大学, 農学部, 助教授 (80283977)
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Keywords | 輪作 / 3品輪作 / 作付行動 / 規模拡大 / 休閑緑肥 / 小麦過作 |
Research Abstract |
研究最終年である平成16年度は、おもに畑作・4品目生産を基幹とする十勝地域・芽室町、野菜や食用ばれいしょを中心とし政府管掌畑作物生産の少ない後志地域・真狩村の農家実態調査をおこなった。調査のポイントは、経営耕地の拡大条件の差異と土地利用・作物選択の関連である。 芽室町は土地条件のよい中央地域では規模拡大が相対的に進まず野菜の定着が見られ、相対的に土地条件の劣る山沿い地域では離農を背景にした経営耕地の拡大が進展し、昨年度調査対象地域更別村同様の大規模畑作経営が出現していた。芽室町も食用・加工ばれいしょの主産地であるが、近年の価格や需要低迷により作付が停滞し、てん菜・豆類作付けの停滞とあいまって、作付が増加しているのは多収を実現していた小麦作であった。農産物価格とともにその需要を反映した作付指標や契約面積の存在が作付構成を左右していた。規模階層別には10ha未満の小規模層と60ha超の大規模層で小麦過作、3品輪作といった作付が見られ、労働力、後継者の有無による機械投資の是非が作付に影響を与えていた。 真狩村は平均14ha弱の畑作が行われており、野菜作の作付が1/3を占め、それにばれいしょを加えると、過半数を超える作付けが行われている。沢によって農地が分断される地形条件にあって、離農も規模拡大につながらないあるいは遠隔飛び地を発生させる問題を抱えている。農家の中には拡大意向をもつ農家も多いが、畑作物4品の輪作ではなく、野菜作を安定化させるための土つくり(作付間隔確保、禾本科である小麦導入、緑肥休閑の定着など)が意識されている。いわゆる集約作物である野菜定着を念頭においた土地利用の模索が行われているのである。
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