2004 Fiscal Year Annual Research Report
畜産フードシステムの安全性確保に関する国際比較研究
Project/Area Number |
14360132
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
甲斐 諭 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70038313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 准一 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (60048121)
佐々木 市夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70125384)
中嶋 康博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50202213)
松田 友義 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70159151)
早川 治 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (00096885)
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Keywords | 有機畜産 / HACCP方式 / GAP(一般的衛生管理事項) / トレーサビリティ・システム |
Research Abstract |
フィンランドの有機畜産の実態を調査した。その結果、(1)フィンランドでは経営の約6%が有機農業を営んでおり、農地の約7%が有機農業生産に利用されていた。その背景には(2)有機農産物の消費拡大を推進する組織としてのフィンランド食品協議会が政府と民間企業により構成されていることを明らかにした。また、(3)飲むと催眠効果のある「ナイトミルク」など機能性食品の開発を推進し、高付加価値農産物の生産に官民が取り組んでいる実態を明らかにした。 中国の山東省を訪問し、山東省の莱陽市にある龍頭企業である「龍大食品」株式会社を調査した。(1)生産段階では、同社が農家から農地を借用し、自社の管理者を配置して、豚の飼育法を直接管理して、安全な豚肉の生産を生産し、(2)加工段階では、日本から技術者を招致して、日本人向けの味付けをしたソーセージなどの加工食品を生産し、(3)実験室では日本向け冷凍食品の細菌や抗生物質残留などの検査をして、安全性の高い畜産物を日本に輸出している実態を解明した。同社は、(4)従業員1万人を雇用する対日輸出企業であり、安全性に配慮した加工食品を生産輸出し、中国の企業が日本人の「食の外部化」に連動した企業行動を行っている企業行動を分析した。 国内では、肉用牛や豚の生産農家を調査した。その結果、(1)農場から食卓までの安全性の確保が課題になっていること、(2)農場段階ではHACCP方式の導入が困難であること、(3)その前提となるGAPの導入も遅れていること、(4)現状では、注射針の管理、抗生物質の管理が中心であることなどを解明した。牛肉のトレーサビリティ・システムを統括している本部を調査し、(1)日本の家畜の売買情報が時々刻々、家畜改良センターに報告されていること、(2)その管理に多大な経費を要していること、(3)その経費を消費者は負担していないことなどを解明した。
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Research Products
(15 results)