2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14360138
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
黒田 久雄 茨城大学, 農学部, 助教授 (20205256)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 亮 茨城大学, 農学部, 助手 (10302332)
|
Keywords | 窒素除去 / TOC / TIC / 藻類 / 有機物 |
Research Abstract |
1991年より無植生に管理している常時湛水下の試験圃場から表層1cmを採土した供試土壌を用いて窒素除去実験を行った。実験は,土層厚(20mm,10mm,5mm,2mm),溶液量一定と水深一定,明条件と暗条件の差異による藻類発生による有機物を供給による窒素除去の持続性を検証した。実験は,土壌を生土100gを,上記の土層厚になるようにアクリル板で作成した容器を用いて行った。実験に用いた試水は約20mg・L^<-1>高濃度硝酸態窒素の湧水を入れて行った。実験条件は,インキュベータ内を25℃に保ち,25,000 lxの明条件下で行った。その結果,明条件のTOC濃度が徐々に上昇したが,暗条件ではTOC濃度は変化しなかった。反対に,TIC濃度では,明条件では変化しなかったが,暗条件では濃度が上昇した。光条件で,土壌からの炭素濃度の形態の違いがあることが明確になった。窒素除去量は,土層厚が2mmと5mmでは10mm,20mmより小さく土層の厚さが窒素除去の大きな影響を与えていることがわかった。明条件と暗条件との差より,土壌の厚さの影響が大きく出たのは,土壌中に蓄積された炭素量の大小によるものと考えられる。今までの実験では少なくとも10週間以上の連続測定をしないと有機物の差が出てこないことがわかっているので,今後有機物のほとんどない土壌を用いて条件の差異を明らかにしていく予定である。また,流域管理モデルも実態との整合性が合うようになってきたので,水田土壌の窒素浄化能力の定量化によりさらに適合性をあげられると考えている。
|