2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14360138
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
黒田 久雄 茨城大学, 農学部, 助教授 (20205256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 亮 茨城大学, 農学部, 助手 (10302332)
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Keywords | 窒素除去 / 光条件 / 有機物 / TOC / C / N比 / 冬期条件 / 脱窒 / 有機物種類 |
Research Abstract |
光を当てた明条件は,有機物が生成され暗条件よりも高い窒素除去能力を示し,窒素除去が持続することが昨年度までで判明した.今年度は,インキュベータを使用し夏季と冬季の条件を再現し,それぞれ季節による窒素除去能力の違いを検討した.その結果,夏季では水温が高いことで窒素除去能力が高かった.それはTOC濃度が高いことから,脱窒に必要な有機物として藻類の発生が供給されたことが確認された.藻類の発生によりTIC濃度(主にCO_2)が低くなり、TOC濃度とTIC濃度の関係が明らかになった.冬季では,TOC濃度の変動が少なく,TIC濃度が上昇する結果となった.これは,光合成より呼吸量の方が多かったころを示す.そのため,冬季には、窒素除去能力が小さく,持続性も認められなかった.冬季も夏季も時間差は多少あるが光の強度に違いはなかったので,水温が窒素除去能力と有機物生成に影響を与えることがわかった.光と温度の関係と窒素除去能力への影響についてはさらに詰めていく必要がある. また,脱窒による窒素除去を持続させるために水素供与体なる有機物の添加実験を行った.実験は、窒素除去能力を低下させた土壌に,一般的に入手可能な農業系有機性資材を添加し,それぞれの窒素除去能力への影響度を比較検討するために行った.農業系有機資材は、水田を利用するために土壌などに悪影響を与えないことを考慮して選定した。それは、各種堆肥、腐葉土、炭、稲ワラ、ヌカなどである.その結果,稲わらまたはぬかを添加すると窒素除去能力が大きくなることが判明した.また,稲わらには窒素除去持続性もあり,添加量を調節することで非常に有効な窒素除去資材として利用できると推察されたので、次年度にその量との関係をさらに詰める予定である. また,次年度は今までの結果を総合し、圃場での窒素除去持続実験および土地利用との関係で水田の持つ窒素除去機能を組み込んだモデルの開発をし、この課題についてのまとめをする予定である。
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