2005 Fiscal Year Annual Research Report
農地資源の持続的保全のための低コストな維持管理手法の開発
Project/Area Number |
14360141
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
有田 博之 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40313506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟生田 忠雄 新潟大学, 自然科学系, 助手 (10282998)
遠藤 和子 (独)農業工学研究所, 農村計画部, 主任研究官 (90343764)
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Keywords | 耕作放棄田 / 復田コスト / 植生 / 遷移 / 持続的農業 / 農地資源 / 資源保全 |
Research Abstract |
本年度は、新潟県東頸城郡旧大島村、旧牧村の耕作放棄農地および新潟平野、宮城県志田郡松山町を対象として、以下のような調査を行った。 (1)大島村を調査対象として、前年度までに収集したデータに基づき、木本が侵入した耕作放棄田の復田に必要な費用を分析した。また、松山町の圃場事例をもとに、省力的管理方式としての深水灌漑の可能性を検討したほか、新潟平野における休耕田を事例調査し、管理方式を検討した。(2)今後の農業の継続にとって地域を単位とする農地資源管理手法が必要であるとの観点から、牧村において農地荒廃と農地資源の管理状況について個別のヒアリング調査を実施した。(3)水源の乏しい中山地における常時湛水型の耕作放棄水田の土壌物理性の調査・分析を進めた。 調査研究の結果、把握できた事項は以下のようである。 (1)木本の侵入した圃場の総費用の経年変化を明らかにし、草本のみの圃場に比べて多くなることから、木本の侵入防止及び総費用の縮減のためには、毎年の継続的で簡易な維持管理が重要であることを示した。 (2)休耕田管理の実態調査をもとに、夏期休閑耕が可能な条件すなわち、休耕田の集団化、基盤整備等の条件確保が環境保全的な農地資源保全に繋がることを明らかにした。 (3)傾斜地水田地帯である新潟県旧東頚城郡を対象に荒廃農地の発生状況をヒアリング調査等から分析し、発生メカニズムを明らかにした。また、農業労働力の減少に注目して将来の農地利用の予測を行ったところ、農家数、農地面積ともに40〜50%(1995年から2015年の比較)減少する結果を得た。以上を踏まえ、集落を単位とし市町村を範囲とする農地資源管理主体の形成を提案した。 (4)新潟県A市における住民(消費者)参加型の耕作放棄水田を利用した市民農園(水田)づくり事業の事例を紹介する。この中で標本数は限られるが,事業参加者へアンケート調査を実施し,その結果を考察した。
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Research Products
(6 results)