Research Abstract |
(1)平行平板モードを利用した2方向ロードセル(H14年度開発済み)を装着できる低剛性のφ150mmたわみ性模型パイプ(アルミ製,管厚1.0mmならびに2.0mm)を変形特性を計測可能なものへ改良した. (2)上記のたわみ性模型パイプを対象に,鋼板製土槽(H14年度作製)を用いた模型埋設実験をおこない,特に,埋戻し地盤中にジオシンセティックスを挿入し,補強土堤体を模擬した底樋管の埋設挙動特性ならびに沈下時挙動特性に関して検討した. 実験条件は,14,15年度で実施した緩詰条件(相対密度Dr36.9%)に加えて,中密詰条件(Dr54.8%)ならびに密詰め条件(Dr81.9%)とした。なお,上載荷重は,今までと同様最大85Kpaとした. (3)また,埋戻し過程ならびに上載圧載荷過程において,中たわみ性パイプ(t=2.0mm)ならびに低外圧剛性たわみ性パイプ(t=1.0mm)に作用する土圧の大きさとその方向を詳細に検討するため,実験手順に沿った有限要素非線形解析ならびに.沈下時挙動を解明するために,DEM解析プログラムを大幅に改良し,口径の10%を超える大変形挙動時のパイプに作用する土圧の大きさと方向を正確に算定した. その結果,以下のことが明らかになった. (4)緩詰め地盤ならびに中詰め地盤では,パイプの沈下にともなう鉛直荷重総量から判断して,パイプ上部に布設されたジオシンセティクスの効果がほとんど無いことが明らかになった.しかながら密詰め地盤では,パイプの沈下時,パイプに作用する鉛直荷重は急激に減少し,地盤中に敷設されたジオグリッドが,鉛直荷重を負担していることが明らかになった. (5)また,パイプ剛性ならびに地盤剛性を変化させた実験結果から得られた,パイプに作用する土圧ならびに周辺地盤中の応力から総合的に判断して,現行の設計基準で仮定されている,鉛直荷重分布が等分布,水平土圧分布が放物線形状であるというSpanglerの土圧分布では,バイプの安全で経済的な設計が出来ないことが明らかになった.
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