2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物個体における物質の吸収および集積機能の評価と最適化に関する環境生理学的研究
Project/Area Number |
14360154
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
北野 雅治 高知大学, 農学部, 教授 (30153109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 勝美 高知大学, 農学部, 教授 (20117419)
宮内 樹代史 高知大学, 農学部, 講師 (80253342)
河野 俊夫 高知大学, 農学部, 助教授 (60224812)
荒木 卓哉 九州大学, 生物環境調節センター, 日本学術振興会特別研究員
江口 壽彦 九州大学, 生物環境調節センター, 助手 (40213540)
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Keywords | 根 / 養水分吸収 / 転流 / 物質集積 / 師部 / 木部 / ソース・シンク / トマト |
Research Abstract |
植物生産は,根による養水分(水,無機イオン)の吸収および吸収された養水分と葉での合成産物(糖,酸など)の各植物器官への集積に依存している.本研究では,生産現場の植物個体および個体群において,インタクトの根の物質吸収機能および収穫対象器官への師管経由と道管経由の物質集積機能の評価法を確立して,これらの機能に対する環境の作用機作を定量的に解明し,生産現場での律速要因を明らかにすることを目的としている.さらに,定量的な生理学的情報が得られていない海洋深層水の施用効果および水上栽培による水質浄化効果を,物質吸収機能と物質集積機能に関連させて解析し,それらの合理的利用法を検討することを目的としている.本年度においては,トマトおよびトウモロコシを対象にして以下の成果を得た. 1.14年度に開発した根の吸水速度および元素吸収速度の計測システムおよびトマト果実への師管経由の物質集積の評価法を用いて,根の道管内(木部汁液)の元素濃度の評価およびトマト果実に集積する師管液中の物質濃度の評価を可能にした. 2.トマト栽培において,濃縮海洋深層水を短期間だけ施用した場合の根の物質吸収機能,葉の光合成および果実への師管経由の物質集積への効果を定量的に明らかにした. 3.濃縮海洋深層水の短期間施用によって,糖,酸および深層水由来のミネラルが高濃度に集積した高品質高糖度トマトが生産可能であることを示唆した.また,濃縮海洋深層水施用によってもたらされる効果は,NaClによる塩ストレス処理の効果とは異なることを明らかにした. 4.暖候期に生ずる根の高温条件下の,根の物質吸収機能に対する影響を明らかにした. 5.14年度に開発した高圧水流計に圧力チャンバを組み合わせることによって,植物個体の根系の水力学的特性および物質吸収特性に対する高温ストレスなどの影響を解析可能にした. これらの成果は,日本生物環境調節学会,園芸学会などで多数発表され,現在,6報の論文および1件の著書が投稿中または取りまとめ中である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Eguchi, T.Araki, S.Yoshida, M.Kitano: "Xylem sap backflow from tomato fruit under water deficit condition"Acta Horticulturae. 618. 347-351 (2003)
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[Publications] 北野雅治: "中国・四国地域の農業気象"農林統計協会. 219 (2003)
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[Publications] 北野雅治: "新農業環境工学"養賢堂(印刷中). (2004)