2004 Fiscal Year Annual Research Report
放牧地植物と共生するVA菌根菌のDNA解析による群集構造の解明
Project/Area Number |
14360157
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 和夫 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20005672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陶山 佳久 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60282315)
斎藤 雅典 独立行政法人農業環境技術研究所, 部長 (40355079)
西脇 亜也 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60228244)
小島 知子 独立行政法人畜産草地研究所, 主任研究員 (70355080)
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Keywords | 菌根菌群集構造 / DNA解析 / DGGE法 / 放牧地 / 宿主植物 / 土壌型 / 胞子組成 |
Research Abstract |
本年度は青森・北海道・宮崎から主にススキとシバを採集し、VA菌根菌(VAMF)の群集構造解析を行った。新たに作製したVAMF特異的プライマーを用いたPCR-DGGE解析により、優占菌種を分類群レベルで決定した。その結果、わが国のススキとシバに優占しているVAMFはほとんどがGiomus-Ab,Ac,Ad群に属する菌種であった。Glomus-Ab群はわが国の草地に広く分布しており、両草種とも最も出現頻度の高い感染菌群であった。またGlomus-Ac群はシバよりススキで高頻度に検出された。生育地の土壌タイプ別にみるとGlomus-Ac群はススキでは非アロフェン質土壌で多く検出されたが、シバではアロフェン質土壌で多く検出された。Glomus-Ad群は非アロフェン質黒ボク土ではほとんど検出されず、黄色土で多く検出された。阿蘇・西那須野・川渡・白老の胞子組成を調べたところ、ほとんどの調査地・草種でGlomus rubiforme,赤褐色のGlomus sp.,Acaulospora koskei様の胞子が優占していたが、ヤマブキ色のGlomus sp.は白老のシバでのみ検出された。 次にVAMF群集構造に対する土壌可給態リン酸濃度の影響について試験した。その結果、経年草地のシロクローバではリン酸施肥量の差異はGlomus-Ad群に影響を与えたが、他の感染菌群への影響は顕著に認められなかった。一方、新規造成草地のシロクローバは経年草地と比較して感染菌種が少なく、特にリン酸施肥処理区では時間の経過に伴う多様性の向上が抑制された。 また本年度は2月26,27日に全構成員に他の菌根菌研究者を加えてシンポジウムを実施した。
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Research Products
(5 results)