2004 Fiscal Year Annual Research Report
免疫細胞と黄体内細胞のクロストークによる黄体退行制御機構の解明とその人為的支配
Project/Area Number |
14360168
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
奥田 潔 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40177168)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 純夫 岡山大学, 理学部, 教授 (90144807)
竹内 栄 岡山大学, 理学部, 助教授 (20226989)
|
Keywords | ウシ / 卵巣 / TNFαレセプター / TNFα / インターフェロンτ / PGF2α / 黄体退行 / 子宮 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、ウシ卵胞ならびに黄体の退縮機構を細胞内シグナル伝達機構から検討するとともに、子宮内膜から合成されるPGF2α合成調節に関わるTNFαならびにインターフェロンτの役割についても検討し、以下のような知見を得た。 1.プロジェステロンが、ウシ黄体の構造的退行を誘起するサイトカインのFas遺伝子発現促進作用を抑制することによって、アポトーシス抑制因子として作用することを示唆した。 2.ウシ黄体の退行にインターロイキン-1(IL-1)が、発情周期によってPGF2αとPGE2の合成量を調節することによって関与する可能性を示した。 3.ウシ黄体退行に一酸化窒素が大きな役割を果たしていることを示した。 4.ウシ子宮内膜間質細胞において、TNFαはPLA2とCOX-2両方の合成を刺激することによりPGF2α合成促進作用を示し、インターフェロンτはその両酵素の合成を抑制することにより妊娠維持に役割を果たすことを示唆した。 5.ウシ卵胞にTNFαレセプターの存在することを明らかにするとともに、その濃度変化からTNFαが排卵と卵胞閉鎖の両面に作用する可能性を示した。 6.妊娠期におけるウシ子宮の機能調節機構を知るためにインターフェロンτの測定系を確立した。 7.本研究の主題の一つであるTNFαと一酸化窒素の黄体退行における役割を総説としてまとめた。
|
Research Products
(10 results)