2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳室上衣細胞のエネルギーセンシングメカニズムと摂食及び生殖の制御
Project/Area Number |
14360177
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前多 敬一郎 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30181580)
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Keywords | 上衣細胞 / 性腺刺激ホルモン / グルコースセンシング / ATP / ATP受容体 / カテコールアミンニューロン / 脂肪酸 / ケトン体 |
Research Abstract |
脳は生体のエネルギーレベルを感じ取り、摂食行動、エネルギー代謝、生殖機能を制御している。申請者らは、生体の血糖値が延髄付近の脳室上衣細胞によって感知され、特異的な神経経路により、上記の生体機能を制御していることを発見した。またこれまでの実験から、脳は血糖値ばかりでなく、遊離脂肪酸やケトン体など、他のエネルギー基質をも包括的に感知していると考えられる。また、ニューロンではない上衣細胞が脳脊髄液中のグルコース濃度を感知した後、どのようにその情報をニューロンへと伝えているかについてはまだ明らかでない。本研究では、延髄付近による上衣細胞が、グルコース、遊離脂肪酸、ケトン体の濃度をすべて感じ取り、それらの情報を細胞内ATPレベルに置き換えることで、エネルギーレベルを包括的に感知している、という仮説を証明することを目的とした。 ケトン体と遊離脂肪酸がin vitroにおいて、上衣細胞に感知され細胞内カルシウムを上昇させるということをすでに明らかにしているが、今年度は、これらの細胞内メカニズムを明らかにするため、ケトン体のトランスポーターであるMCT1と脂肪酸の膜受容体であるGPR40が上衣細胞に存在するかどうかをそれぞれ免疫組織化学とRT-PCRを用いて明らかにしようとした。MCT1はvimentin陽性の上衣細胞の膜上に存在することが特異的抗体を用いて明らかとなった。また、切り取った上衣細胞組織中のGPR40mRNAをRT-PCRを用いて検出することができた。
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Research Products
(6 results)