2002 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞移植の獣医学領域への適応に向けた基礎研究
Project/Area Number |
14360180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
杉浦 喜久弥 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (30171143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 大二郎 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (70316016)
稲葉 俊夫 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00137241)
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Keywords | 造血幹細胞 / イヌ / 骨髄移植 / マイクロサテライト / フローサイトメートリー / コンディショニング |
Research Abstract |
1.イヌにおける骨髄細胞採取標本の解析:骨髄細胞を両側大腿骨および上腕骨を生理的食塩水で灌流して採取した。4匹のイヌを用いて行い、平均3.7×10^9個の骨髄細胞が得られた。これら骨髄細胞をフローサイトメートリーにて解析したところ、CD34陽性細胞が1.2%、CD4陽性細胞が6.2%、CD8陽性細胞が1.1%、surface IgM陽性細胞が8.5%であった。末梢血単核球分画においては、CD34陽性細胞が0%、CD4陽性細胞が40.2%、CD8陽性細胞が18.6%、surface IgM陽性細胞が24.7%であるので、骨髄灌流によって末梢血の混入の少ない骨髄細胞が採取できるものと思われた。 2.ドナー骨髄細胞の生着の検討:レシピエント末梢血中のドナー骨髄由来細胞を検討するため、末梢血白血球からDNAを分離し、イヌ主要組織適合抗原classl中の塩基配列をprimerとしたマイクロサテライトの多型性を利用したPCRによる個体識別を行った。 3.レシピエントのコンディショニングの設定と移植骨髄の性着性:コンディショニングとして、レシピエントの造血および免疫細胞を排除するmyeloabrative conditioningと抗T細胞抗体や免疫抑制剤によって拒絶反応のみを抑制し、レシピエントの造血および免疫細胞の排除が少ないnonmyeloabrative conditioningがある。myeloabrative conditioningは、効果的であるが、レシピエントに大きなダメージををあたえる。よって、安全でより効果的なドナー造血幹細胞の生着をもたらすため、コンディショニングの中からどの様なものをどの様な割合で用いるか検討する必要がある。全身放射線照射(TBI:5Gy)、busulfan (BU:10mg/Kg×2 days)、fludarabin (Flu:25mg/m^2×4 days)およびcyclophosphamide(CY:50mg/Kg×2 days)を組み合わせてコンディショニングを行い、その後、3×10^8/Kg以上の骨髄細胞を静脈内注射して移植骨髄の性着を検討したところ、BU+CY+TBIのコンディショニングを受けたレシピエントにドナー骨髄細胞の生着が認められた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Taketoshi Kushida et al.: "Comparision of bone marrow cells harvested from bones of cynomolbus monkeys at various ages by perfusion or aspiration methods"Stem Cells. 20. 155-162 (2002)
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[Publications] Hiroko Hisha et al.: "Treatment of Shwachman syndrome by Japanese herbal medicine (Juzen-Taiho-To) : stimulatory effects of its fatty acids on hemopoiesis in patients"Stem Cells. 20. 311-319 (2002)
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[Publications] Toshio Inaba et al.: "Enhancement of aromatase gene expression in the mediobasal hypothalamus during anestrus in the beagle bitch"Neuroscience Lett.. 333. 107-110 (2002)