2004 Fiscal Year Annual Research Report
小動物領域における新興マダニ媒介性リケッチアの疫学および病原性に関する研究
Project/Area Number |
14360190
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
猪熊 壽 山口大学, 農学部, 教授 (70263803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 優 山口大学, 農学部, 助教授 (10325243)
細井 栄嗣 山口大学, 農学部, 助教授 (60263802)
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Keywords | マダニ / Ricketttsia / Ehrlichia / Anaplasma / 犬 / 人獣共通感染症 |
Research Abstract |
平成16年度は、これまでに収集された小動物由来のマダニ材料および犬血液材料を用いてマダニ媒介性疾患、とくに紅斑熱群リケッチアの感染状況を調査するとともに、新規リケッチア性マダニ媒介性病原体であるヤマトマダニから分離されたエールリッヒアを犬に実験的に接種し、犬に対する病原性を確認した。 1)小動物由来のマダニおよび犬血液からの新興マダニ媒介性病原体の検索 同定後のマダニ材料よりDNAを抽出し、リケッチア特異的スクリーニングPCRを実施した。なおスクリーニング陽性検体については種特異的PCRまたは塩基配列解析を行い、感染種を決定した。その結果、日本紅斑熱病原体が、これまで患者の発生がない県からも検出された。また、わが国ではこれまで検出されたことのない、新種と思われる病原体が複数検出され、全国的に分布していることが明らかとなった。 2)ヤマトマダニから分離された新規エールリッヒアの犬に対する病原性 ヤマトマダニから分離された新規エールリッヒアを実験的に接極したところ、明らかな臨床症状は示さなかったが、一過性の血小板減少症、脾臓の腫脹等が認められ犬の健康状態に影響を及ぼすことが明らかとなった。また接種した犬にはエールリッヒアに対する抗体が産生され、既知のEhrlichia canisと交叉反応を示した。これまで、我が国の犬で報告されている抗Ehrlichia canis抗体は、国内に分布する新規エールリッヒアの感染によるものである可能性が示された。
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Research Products
(5 results)