2002 Fiscal Year Annual Research Report
わが国のBartonella感染症の疫学と病態解明に関する研究
Project/Area Number |
14360193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
丸山 総一 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (30181829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
壁谷 英則 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (10318389)
野上 貞雄 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90172767)
見上 彪 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20091506)
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Keywords | 猫ひっかき病 / Bartonella henselae / 血清疫学 / 猫 / 人 / パルスフィールドゲル電気泳動 / 菌血症 / 遺伝子型 |
Research Abstract |
わが国の人および猫の血清を用いて,Bartonella henselaeの感染状況をそれぞれ検討した。 猫ひっかき病(CSD)を疑う患者の39.6%(19/48人),呼吸器系疾患の患者3.1%(5/159人),獣医系大学の学生の10.9%(14/129人)がB. henselae抗体(IgG)が陽性であった。また,CSD患者の抗体陽性率は女性が男性に比べ有意に高く(P<0.05),若齢者で高い傾向にあった。CSD患者の抗体陽性率は他のグループに比べ,有意に高く(P<0.001),また,獣医系大学の学生では呼吸器系疾患の患者に比べ抗体陽性率が高かったことから,猫との接触がCSDのリスクファクターとして重要であると思われた。 日本の飼い猫では,8.8%(128/1,447頭)がB. henselae抗体(IgG)が陽性であった。猫の抗体陽性率は1歳以下で8.2%,1-2歳未満で11.5%,2-3歳未満で10.4%,3歳以上で7.2%であった。外猫の陽性率は14.5%と内猫の7.0%に比べ有意に高く(P<0.01),さらに,ノミ寄生のあった猫のB. henselae抗体陽性率は13.5%で,ノミ寄生のない猫の7.4%に比べ有意に高かった(P<0.01)。また,猫の抗体陽性率は北海道の2.O%から沖縄県の24%まで採材した地方により異なっており,北に比べ南西地方に行くほど高い傾向にあった。また,都市部の猫で抗体陽性率は高い経口にあった。 B. henselaeに自然感染した3頭の猫を用い,猫における本菌の持続感染機構について検討した。その結果,猫は回帰性の菌血症とそれに続く抗体上昇を繰り返すことが判明した。さらに,同一の菌血症ピークから分離された株は,ほぼ同じ遺伝子型を示したのに対し,異なるピークから分離された株の遺伝子型はそれぞれ異なることが明らかとなった。これより,猫体内ではそれぞれ異なる遺伝子型の株が交互に出現し,宿主の液性免疫を免れることにより,長期間の菌血症が起こっているものと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kikuchi, E., Maruyama, S., Sakai, T., Tanaka, S., Ymaguchi, F., Hagiwara, T., Katsube, Y., Mikami, T.: "Serological investigation of Bartonella henselae infections in clinically cat scratch disease suspected patients, patients with cardiovascular diseases and healthy veterinary students in Japan"Microbiol. Immunol. 46. 313-316 (2002)
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[Publications] Kabeya, H., Maruyama, S., Irei, M., Takahashi, R., Yamashita, M., Mikami, T.: "Genomic variations among Bartonella henselae isolates derived from naturally infected cats"Vet. Microbiol. 89. 211-220 (2002)
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[Publications] Maruyama, S., Kabeya, H., Nakao, R., Tanaka, S., Sakai, T., Katsube, Y., Mikami, T.: "Seroprevalence of Bartonella henselae, Toxoplasma gondii, FIV and FeLV infections in domestic cats in Japan"Microbiol. Immunol. 47. 147-153 (2003)
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[Publications] 丸山総一: "動物の感染症(猫ひっかき病を分担執筆)"近代出版, 東京. 535 (2002)
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[Publications] 丸山総一: "感染と抗菌薬(猫っかき病の総説を執筆)"ヴァン・メディカル, 東京. 432 (2002)
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[Publications] 丸山総一: "Small Animal Medicine(猫ひっかき病の総説を執筆)"インターズー, 東京. 112 (2002)