2002 Fiscal Year Annual Research Report
対物レンズ照射型エバネッセンス顕微鏡によるイオンチャネル動態の解析
Project/Area Number |
14370010
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
寺川 進 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (50014246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 孝司 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助手 (50283362)
山本 清二 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助教授 (60144094)
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Keywords | Kチャネル / ゲーティング / 電圧依存性 / エバネッセンス顕微鏡 / 溶媒効果 / イオンコンダクタンス / 一分子イメージング / 全反射照明 |
Research Abstract |
蛍光輝点の効率的な解析を行うことを目指して、今年度は、ピエゾ駆動ステージの組み込み開発を進めた。装置の完成に近づいたが、それによるデータを取るには至らず、実験としては、旧来の装置を使用したデータとりを進めた。 ゼノパスの卵母細胞に、mRNAを注入し、351番セリンをシステインに置き換えたShaker Kチャネルを発現させ、2本電極刺入による膜電圧固定下に、細胞膜を脱分極させた。システインにデトラメチルロダミンを標識しエバネッセンス顕微鏡下に蛍光輝点の光強度変化を観察した。120mVの脱分極パルスに応じて、輝点の明るさは50〜80%の変化を示さないものとがあった。変化を示すのもと全く変化を示さないものは、Shaker Kチャネルに結合した色素ではなく、他の内在性膜タンパクのシステインに結合したものであると解釈した。変化を示したものについてさらに調べると、明るさ変化のベースラインに2種類があった。すなわち、静止電位に固定したときの明るさが、一分子蛍光強度ほどのレベルであり、励起光の照射下でその明るさがステップ状に落ちるものと、静止電位に固定したときの明るさが低く、脱分極時の信号が大きく、脱分極パルスを間欠的に与えているにもかかわらず、光信号がまったくでなくなるタイプである。このときの、光信号の大きさは、100%を超える。ベースラインがほぼ0に近い状態であることを考えると、信号変化分はさらに大きいことも考えられる。 この結果は、Kチャネルの複数のサブユニットに標識が入り、それらはお互いに強度を高めるような相互作用をすると仮定すると説明できるが、この点について、次年度は、ピエゾ装置を組み合わせ、高速記録を録ることによって研究を進めたい。
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Research Products
(1 results)