2003 Fiscal Year Annual Research Report
心筋カルシウムチャネルβサブユニットの生理機能の解析
Project/Area Number |
14370015
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
當瀬 規嗣 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80192657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 武志 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80363688)
堀尾 嘉幸 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30181530)
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Keywords | カルシウムチャネル / 心筋細胞 / パッチクランプ |
Research Abstract |
我々はラット心筋細胞において、L型カルシウムチャネルを構成しているサブユニットのうちβ2cサブユニットがnativeの心筋細胞のカルシウム電流の不活性化過程に重要であることを報告した。そこで、本年度では、この不活性化過程とβ2cサブユニットの関わりを解明するため、パッチクランプ法により単一チャンネル動態の解析を行った。β2cサブユニットで構成した単一チャネル活性は、β2aサブユニットで構成した単一チャネル活性と比較して不活性化の進行が速く、nativeの細胞のL型カルシウムチャネルの不活性化過程とおなじものであった。こうして、単一チャネルレベルでもβ2cサブユニットがnativeの心筋細胞の不活性化を再現できることを明らかにした。また、他の共同研究施設でβサブユニットにかかわる遺伝子改変動物の提供を受けることとなり、その受入のため、β2cサブユニット遺伝子を導入するためのウイルスベクターの作成など予備的検討を行っている。一方、この間に見いだされたL型カルシウムチャネルと結合するタンパク質の解析を同時に進行している。このタンパク質の遺伝子解析の結果、これがJABタンパクであることが明らかとなったこのタンパク質が培養細胞一般に通常発現していることをPCR法やウェスタン法で確認したので、RNAiの方法により培養細胞の該当タンパク質の発現を停止させ、その細胞に再構成されたβ2cサブユニットを含むL型カルシウムチャネル機能に対する影響を検討した。このタンパク質はL型カルシウムチャネルの活性維持に重要なタンパク質であることが明らかとなった。今後は、生化学検討を加え、さらにβ2cサブユニットとの関連などの検討を加える予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yasuhiro Kamata: "Single-channel activity of L-type Ca^<2+> channels reconstituted with the beta_<2c> subunit cloned from the rat heart"European Journal of Pharmacology. (印刷中). (2004)
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[Publications] Takeshi Kobayashi: "Contribution of KChIP2 to the developmental increase in transient outward current of rat cardiomyocytes"Journal of Molecular and Cellular Cardiology. 35. 1073-1082 (2003)
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[Publications] Sumihiko Seki: "Fetal and postfetal development of Ca2+ transients and Ca2+ sparks in rat dardiomyocyes"Cardiovascular Research. 58. 535-548 (2003)