2002 Fiscal Year Annual Research Report
オレキシンやグレリンなどの新規視床下部ペプチドとヒスタミン神経系の相互作用
Project/Area Number |
14370027
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷内 一彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50192787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉増 敦朗 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90302091)
田代 学 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00333477)
渡邉 建彦 , 名誉教授 (70028356)
石渡 喜一 東京都老人総合研究所, 主任研究員 (50143037)
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Keywords | ヒスタミン / オレキシン / 覚醒 / 痛みの受容 / PET / 脳血流量 / ノックアウトマウス / モルヒネ |
Research Abstract |
小動物研究:マウスを用いて痛みの受容メカニズムにおけるオレキシンとヒスタミン作用の違いを明らかにした。オレキシンは覚醒反応を強力に惹起するが、脳内や脊椎内に投与するとモルヒネ様の鎮痛作用を起こした。中枢ヒスタミンはH1、H2受容体を介してオレキシンと同様に覚醒反応を起こすが、痛みの受容については促進させることから痛みの受容についてはオレキシンとは逆の作用を持っていることがわかった。各種ノックアウトマウスにおける脳内オレキシン濃度を測定したところ、H1受容体遺伝子ノックアウトマウスの身にオレキシン濃度の低下があり、オレキシンとH1受容体の関連が示唆された。さらにモルヒネによる鎮痛作用におけるH1受容体の役割についてH1受容体遺伝子ノックアウトマウスを用いて調べた。モルヒネがヒスタミンを遊離させてH1受容体を刺激してモルヒネ鎮痛作用を減弱させていることが示唆された。 臨床的研究:ヒスタミン神経の覚醒作用を明らかにするために、抗ヒスタミン薬の鎮静作用発生メカニズムをH_2^<15>O静注法によるPETを用いて行った。鎮静性のd-クロルフェニラミン6mg服用によるChoice reaction time(CRT)課題施行時の脳活動をプラセボと比較することにより、認知能力低下や眠気に関与する脳の特異的作用点を描出した。CRT施行時に右帯状回(BA24)、右頭頂葉(BA40>など注意や空間情報に関係する部位が賦活された。BA40は左右の弁別に関連する脳部位であり、クロルフェニラミン投与によるCRT課題の低下に関連して活動が低下した。またBA24は注意に関連する領域で、認知機能低下に伴って課題遂行に注意を必要とするためにBA24の活動は増加した。覚醒度低下に伴って脳活動の増加する部位と低下する部位が存在することが証明された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] J.I.Mobarakeh, et al.: "Improgan antinociception does not require neuronal histamine on histamine receptors"Brain Research. (in press). (2003)
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[Publications] L.S.Zhang, et al.: "Effects of endogenous histamine on seizure development of pentylenetetrazole-induced kindling in rats"Pharmacology. (in press). (2003)
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[Publications] Z.Chen, et al.: "Chemical kindling induced by pentylenetetrazol in histamine H_1 receptor gene knockout mice, HDC^<-/->, and mast cell-deficient mice"Brain Research. (in press). (2003)
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[Publications] Lin L., et al.: "Measurement of hypocretin/orexin content in the mouse brain using an enzyme immunoassay : the effect of circadian time, age and genetic background"Peptides. 23(12). 2203-2211 (2002)
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[Publications] H.Toyota et al.: "Behavioral characterization of mice lacking histamine H_3 receptors"Molecular Pharmacology. 62. 389-397 (2002)
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[Publications] J.I.Mobarakeh et al.: "Enhanced antinociception by intrathecally-administered morphine in histamine H_1 receptor gene knockout mice"Neuropharmacology. 42(8). 1079-1088 (2002)