2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370028
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
石井 邦明 山形大学, 医学部, 助教授 (10184459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 幸雄 山形大学, 医学部, 助教授 (10250945)
遠藤 政夫 山形大学, 医学部, 教授 (40004668)
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Keywords | HERG / 活性化ゲート / 外向き電流 / 内向き電流 / 第6膜貫通領域 / イオン選択性 |
Research Abstract |
HERGは致死的不整脈を引き起こす家族性QT延長症候群の原因遺伝子のひとつである。またHERGがコードする電位依存性K^+チャネルは薬物などによる二次性QT延長症候群の原因分子でもある。本研究はこの病態生理学的に重要なHERG K^+チャネルの活性化ゲートを同定する目的で行った。 1.野生型のHERG K^+チャネルにおいては脱分極パルスによって外向き電流が流れる。しかし、野生型とは異なり過分極で内向き電流が流れる第6膜貫通領域のプロリン点変異体が得られた。この点変異体においては活性化ゲート(や電位センサーとのカップリング)に変化が起きているものと考えられた。そのため同アミノ酸を他のアミノ酸に置換した点変異体を作製して流れる電流を検討したところ、野生型と同様に脱分極パルスで外向き電流を流すものと、逆に過分極パルスで内向き電流を流すものとが認められた。同部位がイソロイシン、ロイシン、メチオニン、バリンなどの場合に脱分極パルスによって外向き電流が観察され、また同部位がグルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、さらにはセリン、スレオニンなどの場合に過分極パルスによる内向き電流が観察された。同部位が疎水性アミノ酸である場合に外向き電流が流れるような結果であったが、個々のアミノ酸のどのような性質が電流の向きを決定するのか、また同部位がゲートそのものであるのか等については今後の検討が必要である。 2.外液K^+イオン濃度を変えて逆転電位を検討したところ、過分極パルスによって内向き電流を流すような点変異体においては、ネルンストの式に従う関係が得られなかった。即ち、そのような変異体においては活性化ゲートに関係する変化ばかりではなく、チャネルを流れるイオンの選択性も変化していた。このことは重要な知見だと思われる。現在、イオン選択性フィルターに関与する領域の変異体を作製して検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ishii, K.: "Dissociation of E-4031 from the HERG channel caused by mutations of an amino acid results in greater block at high stimulation frequency"Cardiovasc. Res.. 57. 651-659 (2003)
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[Publications] Ichiyanagi, O.: "Angiotensin II increases L-type Ca^<2+> current in gramicidin D-perforated adult rabbit ventricular myocytes : comparison with conventional patch-clamp method"Pflugers Arch-Eur J Physiol.. 444. 107-116 (2002)