2004 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質相互作用による受容体の構成的活性化機構の解明と逆作用薬に関する研究
Project/Area Number |
14370030
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
村松 郁延 福井大学, 医学部, 教授 (10111965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 史子 福井大学, 医学部, 助手 (80291376)
田中 高志 福井大学, 医学部, 助手 (40313746)
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Keywords | アドレナリン受容体 / snapin / 構造的活性化 / 逆作用薬 / ヘテロダイマー / supersensitivity |
Research Abstract |
1.alpha-1アドレナリン受容体の活性に影響する蛋白質を同定するため、酵母two yeast hybrid法を行い、3種の蛋白質を検出した。そのうちの1つはsnapinという神経伝達物質遊離に関係した蛋白質であった。そこで、snapinをPC12細胞に発現させ、影響を検討した。その結果、snapinは、alpha-1アドレナリン受容体の薬物親和性および構成的活性化に影響することなく、受容体刺激によるdopamine遊離を著しく増強することを見出した。また、この作用は、snapinとalpha-1アドレナリン受容体C末端との相互作用によることも明らかとした。 2.alpha-1Aおよびalpah-1Bアドレナリン受容体をHEK293細胞に共発現させると、supersensitivityと最大反応の増大を引き起こすことを見つけ、これはサブタイプ間のクロストークおよびにヘテロダイマーに起因することを示唆した。しかし、alpha-1Aとalpha-1Bアドレナリン受容体のヘテロダイマー形成は、受容体の構成的活性化とは無関係であった。 3.逆作用薬prazosinをラットに長期間投与すると、尾動脈のアドレナリン収縮に関与する受容体サブタイプがalpha-1Aからalpha-1Bにスウィッチングすることを見出し、これがブロッカー投与後に観察されるsupersensitivityおよびtoleranceの原因であることを明らかにした。一方、reserpineを長期間投与して化学的除神経を引き起こすと、alpha-1Dサブタイプが特異的に誘導されてsupersensitivityを惹起することを見出した。これらの結果より、逆作用薬とreserpineにより引き起こされるsupersensitivityには、異なったalpha-1アドレナリン受容体サブタイプが関与していることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)