2004 Fiscal Year Annual Research Report
末梢抵抗血管における新型電位依存性Ca^<2+>チャネルの遺伝子クローニング
Project/Area Number |
14370033
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊東 祐之 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80037506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 隆司 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30232573)
石橋 仁 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (50311874)
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Keywords | 電位依存性Caチャネル / ジヒドロピリジン非感受性 / 阻害薬 / 血圧 / 末梢循環 / 腸管膜動脈 |
Research Abstract |
末梢抵抗血管系に優勢に発現し、これまで報告にないユニークな電気生理学的・薬理学的性質を示すニフェジピン非感受性(NI)電位依存性Ca^<2+>チャネル(VDCC)の遺伝子クローニングを試みた。まず、NI-VDCCの高い発現が見られるラット腸間膜動脈からmRNAを抽出し、高い収量を示し既知のVDCC(α1C,α1H,α1G)のmRNAの発現が確認できるcDNAライブラリーを得た。さらにこのライブラリーから、(a)α1H,α1G,α1Gの配列、(b)既知のVDCCのイオン透過孔付近の保存された配列、(c)α1Hの全長を6つに細分した各領域の配列、に対して特異的なプライマーを設計し、PCRによる上記cDNAライブラリーの検索を行った。その結果、α1Hのイオン透過孔付近及びIII-IVリンカー相当部位から、全長α1Hから予想される塩基数より数百bp短い転写産物が得られた。これと同様の結果はラット脳動脈においても確認できた。そこで、我々は動脈平滑筋にはこれまで知られていないα1Hのsplice variantが発現していると考え、福岡歯科大学(北村憲司教授)との共同プロジェクトとして、動脈平滑筋より遥かに多くのmRNAの抽出が可能な子宮平滑筋からα1H splice variatnsのクローニングを行い、III-IVリンカー及びC末端から合計5種のsplice variantsが得られた。このうちIII-IVリンカー欠失のあるvariantでは、活性化・不活性化電位の脱分極シフトがあることが判明している。現在我々は、上記のsplice variantをHEK293細胞に安定発現して、その電気生理学的特長をNI-VDCCのそれと比較検討し、また、各splice variant特異的なプライマーを設計して、上記cDNAライブラリーとその他の動脈平滑筋について発現パターンの検索を行っている。
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Research Products
(5 results)