2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370038
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
宮崎 瑞夫 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10047186)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 真司 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (80288703)
金 徳男 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90319533)
村松 理子 大阪医科大学, 医学部, 助手 (30330096)
|
Keywords | キマーゼ / キマーゼ阻害薬 / 心筋梗塞 / 心機能 / 大動脈瘤 / アンジオテンシン / アンジオテンシン変換酵素 / アンジオテンシンII受容体拮抗薬 |
Research Abstract |
本年度は、キマーゼのアンジオテンシンII(AII)における心血管リモデリングに対する役割に加え、キマーゼのTransforming growth factor(TGF)-βの活性化やマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の活性化を介した役割についても解析を行った。イヌ動静脈シャントモデルの静脈狭窄には、キマーゼ活性の顕著な増加があることを示した。さらに、この内膜肥厚はキマーゼ阻害薬で抑制されたが、その際肥厚部位のキマーゼ活性のみならず、AII産生およびTGF-βの発現は有意に抑制され、内膜肥厚が抑制されていることを明らかにした。また、MMPの活性化作用は、ヒト血管平滑筋細胞を用い、キマーゼがMMPの活性化を介して平滑筋の遊走能に大きく関与することを明らかにした。イヌ大動脈瘤モデルにおいては、経時的にキマーゼ活性が増加し、また、それに伴い瘤経の拡張が認められたが、キマーゼ阻害薬はこの瘤経の進展を有意に抑制した。キマーゼ阻害薬は、血管組織で増加するAIIとMMPを共に強く抑制した。これらのことより、キマーゼは、AIIに加えてMMPの活性化を介して大動脈瘤の進展に関与する可能性が示された。心臓に関する実験として、ラット心筋梗塞モデルを作製し、梗塞後キマーゼ活性およびコラーゲンI、コラーゲンIII、TGF-βの発現増加がみられたが、キマーゼ阻害薬の投与によりこれらすべてが抑制され、心臓の線維化面積も有意に抑制されていることを明らかにした。ラットキマーゼはAIIを産生しないことより、キマーゼはTGF-βの活性化を介しても心臓線維化に深く関与していた。以上の結果は、心血管組織リモデリングにおいてキマーゼは、AIIのみならず、TGF-βやMMPの活性化を介して重要な役割を担っていることを示唆する。これらの結果は、キマーゼ阻害薬の応用において重要な情報となった。
|
Research Products
(18 results)