2004 Fiscal Year Annual Research Report
受容体欠損マウスを用いた心血管系におけるプロスタノイドの役割の解明
Project/Area Number |
14370049
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
牛首 文隆 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50243035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 明義 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (90164988)
結城 幸一 旭川医科大学, 医学部, 助手 (80302420)
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Keywords | プロスタノイド / プロスタグランジン / トロンボキサン |
Research Abstract |
プロスタノイドは、生体内において非常に多彩な作用を示す生理活性脂質である。また、多種類のプロスタノイド受容体が、心臓、血管、血小板など心血管系の臓器・組織に多く発現している。従来、プロスタノイドの循環器系での作用として血圧の調節、臓器血流量の調節、動脈硬化の促進・抑制、血小板機能調節などが示唆されている。しかし、これらの作用が生理的・病態生理的にどの程度重要なのかは不明である。そこで本研究は、プロスタノイド受容体欠損マウスを用い、心血管系におけるプロスタノイドの役割を解明することを目的としている。 マウス圧負荷心肥大モデルにおいて、プロスタグランジン(PG)I_2受容体IP欠損マウスでは、野生型マウスに比し、心肥大の有意な増強が認められた。また、この心肥大の増強は、心筋細胞肥大と心線維化から成っていた。これらの結果、内因性PGI_2が、圧負荷心肥大の防御に働くことが明らかとなった。一方、マウス腎動脈狭窄による腎血管性高血圧モデルにおいて、IP欠損マウスでは、野生型マウスに比し、腎血管性高血圧の有意な減弱が認められた。また、IP欠損マウスでは、血中レニン活性の有意な減少が認められた。これらの結果、内因性PGI_2が、腎血管性高血圧の病態形成に重要な役割を果たすことが明らかとなった。 現在、PGI_2の血管リモデリングでの役割やプロスタノイドによる心拍数調節などの解析を続けている。今後、これらの解析によって、心血管系でのプロスタノイドのさらなる役割が解明されるこが期待される。
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Research Products
(2 results)