2002 Fiscal Year Annual Research Report
脂質メディエーターPTENの各種臓器における生理的・生化学的機能解析
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14370051
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| Research Institution | Akita University |
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Principal Investigator |
鈴木 聡 秋田大学, 医学部, 教授 (10311565)
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| Keywords | PTEN / ノックアウトマウス / B細胞 / 皮膚 / 生殖細胞 / 心筋細胞 |
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| Research Abstract |
癌抑制遺伝子PTENはPIP3を主な基質とするホスファターゼである。これまで我々はPTEN欠損マウスを作成したが、胎生早期に致死であったために、各種臓器でのPTENの役割の解析は困難であった。そこで、B細胞、皮膚、心臓、始原生殖細胞特異的にPTEN遺伝子を欠損するマウスを作成し、これら臓器における機能を解析した。
1.B細胞におけるPTEN欠損マウスにおいては、増殖亢進、アポトーシス抵抗性、細胞遊走能が亢進し、結果としてB1a細胞、辺縁B細胞が著増し、また免疫グロブリンのクラススイッチが障害されていた。
2.皮膚におけるPTEN欠損マウスにおいても、増殖亢進、アポトーシス抵抗性を示し、結果として角化亢進、皮膚上皮の肥厚を呈した。また毛嚢形態形成が加速していた。さらに乳頭腫、扁平上皮がん、皮脂腺がんなど様々な皮膚腫瘍を呈した。
3.心筋におけるPTEN欠損マウスは、心肥大、心収縮力低下をきたした。またこれらのマウスの表現系はPI3Kαをさらにおさえると心肥大が回復し、PI3Kγを遺伝子をさらに欠損させると心収縮力が回復した。
4.生殖細胞におけるPTEN欠損マウスは、オスでは分裂停止の障害、多分化能をもった細胞に脱分化することにより、生直後からテラトーマが発症した。
このようにPTENが全身の種々の組織において、その発生、分化、発ガンに重要な役割をていしていることを始めて明らかにし、同時にその分子機構をも明らかにした。
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[Publications] Suzuki A.et al.: "Critical roles of Pten in B cell homeostasis and immunoglobulin class switch recombination"Journal of Experimental Medicine. 197(5). 657-667 (2003)
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[Publications] Suzuki A.et al.: "Keratinocyte-specific Pten deficiency results in epidermal hyperplasia, accelerated hair follicle morphogenesis and tumor formation"Cancer Research. 63. 674-681 (2003)
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[Publications] Crackower M.A.et al.: "Regulation of heart muscle contractility by the P13kg-PTEN signaling pathway"Cell. 110(6). 737-749 (2002)
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[Publications] Kimura T.et al.: "Conditional loss of PTEN leads to testicular teratoma and enhances embryonic germ cell production"Development. 130. 1691-1700 (2003)
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[Publications] Sasaki T.et al.: "Phosphoinositide 3-Kinase in immunity : lessons from Knockout mice"Journal of Biochemistry. 131(4). 495-501 (2002)
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[Publications] 佐々木雄彦: "P13Kによる極性発生"細胞骨格と細胞運動. 169-174 (2002)
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[Publications] 鈴木 聡: "Annual Review 免疫 2002"中外医学社. 310 (2002)
