2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変動物によるヘムオキシゲナーゼを介した情報伝達と生体制御機構の解明
Project/Area Number |
14370063
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
末松 誠 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00206385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合田 亘人 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00245549)
大西 保行 実験動物中央研究所, プロジェクト推進センター, 副部長 (70201382)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / 一酸化炭素 / シスタチオニン合成酵素 / 硫化水素 / アミノ酸置換体 / ノックアウト動物 |
Research Abstract |
本年度は、一酸化炭素(CO)の細胞内レセプタとして我々が着目しているヘム含有蛋白であるcystathionine β synthase(CBS)の酵素活性制御に対するCOの効果をラット精製酵素標品を用いて検討した。その結果、精製酵素内ヘム鉄はFerricおよびFerrousの両方の状態を取りうるが、Ferric状態の方がCBS活性が約2.4倍高いことが明らかになった。しかし、Ferric状態のCBS活性はCO(1mM)添加でも活性の変化が認められなかったが、Ferrous状態のCBSはCO濃度依存性にその活性が抑制されることが明らかになった。これらの結果は生体内においてCBSがCOの標的分子として機能する可能性を十分に示していると考えられる。今後、細胞および個体レベルにおいて生体内において産生されるCOがCBS活性を調節することで如何なる細胞機能変化を惹起しうるかを明らかにする予定である。また、一方でCBS活性中心から離れたヘム結合部位周辺アミノ酸置換体を作成することでCOを含めたガス分子がどのような活性変化を誘導しうるかを解析する必要があると考えている。 Heme oxygenase-1(HO-1)および25番目のHisをAlaに変異させることでHO活性を欠いたmutant HO-1のそれぞれの遺伝子改変動物作成のためのES細胞のスクリーニングを継続して行った。まず、昨年度末に得られたHO-1では3つのmutant HO-1では1つのpositive cloneに関して、それぞれの核型を解析したところHO-1で1クローンのみ正常型であることが明らかになった。その後同じtargeting vectorを用いてスクリーニングを更に300クローンに対して行ったがpositive cloneは得られなかったため、新しいtargeting vectorを用いてスクリーニングを行い現在までに野生型HO-1では2つのpositive cloneが得られている。次年度までの遺伝子改変動物作成を目指し今後もスクリーニングを行う予定である。
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Research Products
(6 results)