2002 Fiscal Year Annual Research Report
消化管癌の細胞不死化制御機構におけるDNAミスマッチ修復系不活化の関与
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14370070
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
横崎 宏 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10200891)
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Keywords | 胃癌 / 大腸癌 / 細胞不死化 / DNAミスマッチ修復系 / テロメア / テロメラーゼ / DNA組換機構 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究は、マイクロサテライト不安定性消化管癌ならびにそれらの前癌性病変臨床検体を用いて、1)テロメア維持機構、2)細胞不死化におけるDNAミスマッチ修復系不活化標的遺伝子変異を通じたアポトーシス逸脱機構の寄与、3)これらの病理形態学的発癌過程における細胞不死化成立時期の解析を行い、消化管癌の細胞不死化機構におけるDNAミスマッチ修復系不活化の関与を分子病理学的に明らかにすることを目的としている。 本年度は、1)研究に使用するマイクロサテライト不安定性消化管癌臨床検体の収集、2)胃癌におけるミスマッチ修復系遺伝子不活化機構の解析、3)テロメラーゼ活性陰性頻度の高い、胃および大腸粘液癌の分子病理学的解析を行った。結果の概要は以下の如くである。 1)胃癌において、ミスマッチ修復系遺伝子hMLH1はプロモーターメチル化により不活化を受けることが多く、その頻度は高分化型腺癌に高かった。 2)内視鏡的に得られた10例の腸上皮化生および対応する非化生性胃粘膜における、hMLH1およびMGMTのメチル化の状態を検索した。hMLH1は10例中9例の化生部においてメチル化を受けていたが、MGMTのメチル化は認められなかった。 3)胃および大腸粘液癌のそれぞれ1/4程度の症例がミスマッチ修復系遺伝子hMLH1の不活化を示し、これらはhMLH1の不活化を有さない症例に比較して極めて増殖活性が低く、分子病理学的に独立した群をなすことが明かとなった。 今後、これらの症例をモデルにテロメア維持機構、細胞不死化機構の解析を行っていく予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kuniyasu, H.: "Expression of receptors for advanced glycation end-products (RAGE) is closely associated with the invasive and metastatic activity of gastric cancer"J. Pathol.. 196・2. 163-170 (2002)
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[Publications] Shigeishi, H.: "Increased expression of CHK2 in human gastric carcinomas harboring p53 mutations"Int. J. Cancer. 99・1. 58-62 (2002)
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[Publications] Oue, N.: "Distinct promoter hypermethylation of p16INK4a, CDH1, and RAR-beta in intestinal, diffuse-adherent, and diffuse-scattered type gastric carcinomas"J. Pathol.. 198・1. 55-59 (2002)
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[Publications] Nakagawa, H.: "No mutations of the Bub1 gene in human gastric and oral cancer cell lines"Oncol. Rep.. 9・6. 1229-1232 (2002)
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[Publications] Kannan, S.: "Infrequent loss of heterozygosity of the major tumour suppressor genes in Indian oral cancers"Int. J. Oral Maxillofac. Surg.. 31・4. 414-418 (2002)
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[Publications] Nakaji, M.: "Histological grading and staging in chronic hepatitis : Its practical correlation"Pathol. Int.. 52・11. 683-690 (2002)