2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370075
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲葉 カヨ 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (00115792)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高原 和彦 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 講師 (90301233)
|
Keywords | 樹状細胞 / T細胞活性化 / サブセット / 抗原捕捉 / クロスプレゼンテイーション |
Research Abstract |
生体内には表現型から分類されうる複数の樹状細胞サブセットが存在することが知られ、免疫応答の誘導におけるT細胞活性化能も種々の条件下で異なることが報告されている。そこで、本研究では生体内樹状細胞サブセットについて免疫応答の制御機構について検討した。 先ず、Id2遺伝子欠損マウスでは免疫応答がTh2へと極性化されていることを受け、樹状細胞の関与を検討した。その結果、ウイルス感染により多量のI型IFNを産生することが明らかとなっている形質細胞様前駆樹状細胞やCDllb^+サブセットの樹状細胞数には正常マウスとほぼ同数が存在することが確認されたが、種々の活性化刺激に対してより多量のIL-12やIFN-γを産生するCD8^+樹状細胞数が大きく減少していることが明らかになった。また、表皮ランゲルハンス細胞も欠如していることが示された。 一方、CD8^+樹状細胞は生体に投与されたあるいは生体内に生じたアポトーシス細胞を捕捉することが示された。しかし、CD8^-樹状細胞は蛋白抗原やラテックス粒子などを取り込む能力においてはCD8^+樹状細胞と差はないものの、アポトーシス細胞の取り込み能は低いことが明らかとなった。さらに、死細胞を取り込んだ樹状細胞は、それらに由来する抗原ペプチドをMHCクラスII分子ならびにMHCクラスI分子を介して効率よくT細胞に提示しその活性化を誘導することがin vitro実験系において確認された。これらの結果はCD8^+樹状細胞にアポトーシス細胞を認識する特異的レセプターが存在することを示唆すると考え、これまで報告されている,レセプターについてRT-PCRを用いた検討を行った。その結果、CD36がその候補と考えられたため、遺伝子欠損マウスを用いてCD8^+樹状細胞のみがCD36を発現していることを確認した後、アポトーシス細胞の捕捉能の検討を行った。ところが、予想に反してCD36欠損CD8^+樹状細胞には正常マウスと遜色のないアポトーシス細胞捕捉能が検出された。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Kang, Y.-S.: "SIGN-R1, a novel C-type lectin expressed by marginal zone macrophagesin spleen, mediates uptake of the polysaccharide dextran"Int.Immunol.. 15(2). 177-186 (2003)
-
[Publications] Kusunoki, T.: "TH2 dominance and defective development of CD8^+ dendritic cell subset in Id2-deficient mice."J Allergy Clin Immunol.. 111(1). 136-142 (2003)
-
[Publications] Steinman, R. M.: "Dendritic cell function in vivo during the steady state : A role in peripheral tolerance"Ann. NY Acad. Sci. 987. 1-12 (2003)
-
[Publications] Liu, K.: "Immune tolerance after delivery of dying cells to dendritic cells in situ."J.Exp.Med.. 196(8). 1091-1097 (2002)
-
[Publications] Ichioka, N.: "Prevention of senile osteoporosis in SAMP6 mice by intrabone marrow injection of allogeneic bone marrow cells"Stem Cells. 20(6). 542-551 (2002)
-
[Publications] Iyoda, T: "The CD8^+ dendritic cell subset selectively endocytoses dying cells in culture and in vivo"J.Exp.Med.. 195(10). 1289-1302 (2002)
-
[Publications] Takahara, K.: "Identification and Expression of Mouse Langerin (CD207) in Dendritic Cells"Inr.Immunol.. 14(5). 433-444 (2002)
-
[Publications] Kanazawa, N.: "DCIR acts as an inhibitory receptor depending on its immunoreceptor tyrosine-based inhibitory motif"J.Invest.Dermatol.. 118(2). 261-266 (2002)