2004 Fiscal Year Annual Research Report
レジオネラ属細菌の環境中および宿主内での生存適応戦略とその多球性の研究
Project/Area Number |
14370094
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉田 真一 九州大学, 医学研究院, 教授 (60128113)
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Keywords | レジオネラ / バイオフィルム / アメーバ / 細胞内寄生細菌 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
1.L.pneumophilaの線維状菌体への変化の機序の研究 固形平板培地上で温度37〜45℃にて培養されたL.pneumophilaの菌体は高率(95%以上)に100μm以上の長さをもつ線維状菌体に変化することを見いだした。この機序を形態学的に、また分子遺伝学的にはrelA、ftsZ遺伝子などに焦点を当て解析している。 2.不安定GFPのレジオネラ属菌の遺伝子発現解析への応用 unstable green fluorescence proteinは細菌によって産生されたあと、細菌が保有するタンパク分解酵素によって分解されやすいため、遺伝子発現をリアルタイムに観察するためのレポーター遺伝子としてすぐれた特性をもっている。このunstable GFPがL.pneumophilaのin vitro、細胞内での遺伝子発現の研究に応用できることを明らかにした。現在L.pneumophilaのicmS,icmT,icmQなど、さまざまなプロモーターの発現の解析に用いて、新知見を得ている。 3.L.dumoffiiの接着および上皮細胞内侵入機序の解析 L.dumoffii TEX-KL株はほかのレジオネラ属菌よりも効率よく上皮細胞に接着し侵入できることを思いだした。この株にトランスポゾンを挿入して変異株を作成し700株の中からHeLa細胞への接着・侵入能が低下している株をスクーリニングによって見出した。解析の結果、トランスポゾンはL.pneumophila Lens株が保有するプラスミド上に存在する遺伝子TraCと相同性の高い遺伝子の中に挿入されていることを明らかにした。現在この遺伝子産物の機能について解析中である。 4.2-deoxy-D-glucose(2dG)がマクロファージに作用してL.pneumophilaの細胞内増殖を抑制する機序の解析 マウスのDNA arrayを使って2dGの遺伝子発現への影響をみると、Toll-like receptor 2、TNF-alphaなどの遺伝子の発現が抑制されることを見いだしたので、解析を続行中である。
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Research Products
(5 results)