2004 Fiscal Year Annual Research Report
市中獲得MRSAの消長の経時的観察とその病原性の調査研究
Project/Area Number |
14370097
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
平松 啓一 順天堂大学, 医学部, 教授 (10173262)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 京子 順天堂大学, 医学部, 助手 (10167976)
|
Keywords | 市中獲得型MRSA / 院内獲得型MRSA / MRC-NS / 健康成人 / 看護師 / SCCmec / コアグラーゼ型 |
Research Abstract |
平成16年6〜7月、医療経験の無い医学部大学3年の学生91人および感染管理学科の看護師30人を対象に鼻腔に常在するブドウ球菌の検出を行った。分離されたMRSAおよびMRC-NSにおける、コアグラーゼ型、SCCmecのタイプ、などのgenotypeを検討し、平成15年5〜6月に行った調査結果とまとめて解析した。学生180人のうちMRSAを保有していた人は、1人の0.6%,看護師56人からは、3人の5.4%であった。学生から分離されたMRSAのコアグラーゼは1型、SCCmecはType IIaであり、市中獲得型MRSAであることが強く示唆された。看護師から分離されたMRSAのうち2株は、コアグラーゼ2型、Type IVa-SCCmecであり、院内獲得型MRSAと同等であると示唆された。 一方MRC-NSの保有率は、学生では71人の39.4%、看護士では37人の66.1%であった。そのうちSCCmecがIV型であったものは、学生では91.5%(65株/71株)、看護士では82.9%(29株/35株)であった。 SCCmecのタイプがType IVのMRC-NSが高率に検出された。調査数が少なかったものの看護師からの検出が際だって高かった。Type IV SCCmecは、市中獲得型MRSAを特徴づけるカセットである。今回の研究から、MRC-NSがこのカセットのreservoirとなっていることが示唆された。 ひきつづき、経時的調査を行い、その動向を検討していく予定である。今回の調査結果については、第20回日本環境感染学会総会で発表した。また、平成13年7〜9月および平成14年3月の2回、東北地方の幼稚園および保育園(計4施設)および平成14年11〜12月に行った京都および佐賀の保育園(計3施設)における調査結果をまとめた論文をJournal of clinical microbiologyに投稿し受理されたので、間もなく発表される予定である。
|
Research Products
(1 results)