2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト培養動脈内皮細胞でのNOS遺伝子多型の蛋白機能への影響に関する分子疫学的研究
Project/Area Number |
14370123
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
岸本 拓治 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 教授 (00116394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 米厚 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助教授 (10325003)
岡本 幹三 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 講師 (40032205)
嘉悦 明彦 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助手 (70248483)
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Keywords | 一酸化窒素合成酵素 / 遺伝子多型 / 初代培養 / 内皮細胞 / 蛋白機能 / 分子疫学 |
Research Abstract |
多人数臍帯由来のヒト初代培養動脈内皮細胞を用いて内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の遺伝子多型Glu298Asp(アミノ酸コドン298におけるグルタミン酸のアスパラギン酸への変異)を同定するとともに、遺伝子多型Glu298Aspがその遺伝子発現やeNOS蛋白質にどのような機能的影響を与えるのか明らかにすることを目的に研究を実施している。 現在、30名の妊婦よりインフォームドコンセントを得て入手した分娩直後の臍帯動脈より初代培養を実施し、ヒト培養動脈内皮細胞を得ている。それぞれの個人由来別のヒト培養動脈内皮細胞は順調に継代培養されており、各代数の細胞は液体窒素に保存し実験に使用できるシステムを確立した。30名の遺伝子形はGlu/Gluのホモ接合体が26名で、4名のみGlu/Aspのヘテロ接合体であった。Glu/GluとGlu/Aspの細胞を用いてリアルタイムRT-PCR(reverse transcription-polymerase chain reaction)法を実施し、eNOS遺伝子のmRNA発現を観察した。Glu/Aspの方が有意ではないが発現量が高い傾向を示した。また、ELISA法によりeNOSタンパク質量も観察したが、同様にGlu/Aspの方が有意ではないがタンパク質量が高い傾向を示した。TGF-β1によるmRNA発現・タンパク質量への影響は、有意ではないがGlu/Gluでは増強し、Glu/Aspでは減少する傾向を示した。 今後、初代培養症例数を増やし、各遺伝子形の症例数を充分数得るように研究を継続する。そして、統計的処理が可能な充分数の症例を用いて、遺伝子多型Glu298Aspがその遺伝子発現やeNOS蛋白質にどのような機能的影響を与えるのか明らかにする分子疫学的研究を遂行したい。
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Research Products
(2 results)