2004 Fiscal Year Annual Research Report
ブロモプロパン類の精子形成における精原細胞へのDNA損傷と機能障害の評価方法
Project/Area Number |
14370124
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
奥田 昌之 山口大学, 医学部, 助教授 (50274171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳原 達也 山口大学, 医学部, 教授 (10116501)
國次 一郎 山口大学, 医学部, 助手 (80314798)
杉山 真一 山口大学, 医学部, 助手 (50335725)
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Keywords | コメットアッセイ / ラット / 精巣 / DNA損傷 / ブロモプロパン / 有機溶剤 / 8-OHdG / アポトーシス |
Research Abstract |
コメットアッセイ(single gel electrophoresis)による毒性評価は細胞DNAの障害性をとらえることができる。多種の臓器に応用されているが、労働衛生の現場で利用される化学物質でも損傷をとらえることができるのか、またどのような損傷をとらえることができるかを明らかにしてきた。 精巣から取り出した精祖細胞、精母細胞に短時間のブロモプロパンを曝露させると、濃度依存的、時間依存的にコメットアッセイによるDNA損傷がおきていることがわかった。コメットアッセイではアルカリ下での障害は、DNA付加体等による損傷のしやすさか、アポトーシスによる切断であるのかを区別するのは困難である。DNAの加水分解を起さない程度のpHでコメットアッセイを行ったところ、コメットの形成は明らかでなかった。DNAの切断をとらえるには、電気泳動によるラダー形成かTUNEL法がよいが、TUNEL法ではアポトーシスとネクローシスの区別が困難なこともある。DNA損傷を起すのは種々あるが、酸化的ストレスと考え80HdGを測定した。精巣から分離した精祖細胞、精母細胞に初代培養し曝露させ細胞DNAを抽出したもの、あるいは生体に皮下投与して曝露させ、精巣を取り出し組織DNAを中止したものを検体とした。アプトシースを起すと報告されているzealarenoneと比べて、ラダー形成はなく、高濃度曝露のブロモプロパンで80HdGが上昇していた。 これらの結果は、コメットアッセイでDNA障害性を検知することができるとともに、コメットアッセイを行う条件を変えることでアポトーシスによる損傷と区別することができることを意味する。しかし今回の実験系ではアポトーシスによるDNA切断を否定するものではない。
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Research Products
(6 results)