2003 Fiscal Year Annual Research Report
化学物質による室内環境汚染の危険性評価に関する研究
Project/Area Number |
14370129
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
圓藤 陽子 関西医科大学, 医学部, 講師 (50193438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
圓藤 吟史 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20160393)
藤沢 順一 関西医科大学, 医学部, 教授 (40181341)
平田 衞 (独)産業医学総合研, 有害性評価研究部, 主任研究官 (60167608)
柾木 龍一 関西医科大学, 医学部, 講師 (70140283)
池田 浩己 関西医科大学, 医学部, 助手 (90288803)
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Keywords | シックハウス症候群 / 室内環境汚染 / フタル酸エステル / 光触媒 / ホルムアルデヒド / 職業性曝露 / 化学物質 |
Research Abstract |
近年、一般居住環境における化学物質による室内汚染と、それによる生体影響がシックハウス症候群として問題になっているが、室内環境中には多種類の化学物質が存在するとともに臨床症状が多彩なため、その成因と病態は未だ明らかではない。本研究はこの様な病態に室内環境中の化学物質がどのように関連しでいるかを検討するとともに、環境の改善策を検討しようとするものである。 2003年度においては、2002年度に引き続き室内環境汚染に関連する化学物質としてホルムアルデヒドおよびフタル酸エステルを選び、一般住宅における曝露および職業性曝露について調査と検討を行なった。さらにホルムアルデヒド濃度削減に関する方法として光触媒蛍光灯の有効性の評価検討を試みた。 ホルムアルデヒド測定については、検知管法による測定の有用性について検討した結果、簡便であるだけではなく精度も十分に得られることが明らかになり、論文として報告した(Ind.Health,41(4):306-312,2003)。 住宅室内環境中のフタル酸エステル(PE)曝露による健康影響を検討するために室内環境中のPE測定を行い、室内環境および生活の仕方との関連を検討し、論文として報告した(家政学研究50(2):1-10,2004)。 職業性曝露によりシックハウス症候群様症状を発症した症例について、その臨床経過と環境状況の変遷とを検討した結果を論文として作成し、現在投稿中である。 可視光領域で光触媒作用があるルチル型光分解蛍光灯照射によるホルムアルデヒド濃度の低減化を検討するため、医学部解剖準備室において実験を行い有効性が観察されたので、その結果を論文として報告した(生活衛生47(5):261-268,2003)。 複合曝露に関する分子生物学的検討として、代謝酵素に関する検討を実施中である。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] Azuma Michiyo: "Efficacy of a detector tube method in formaldehyde measuremen"Ind.Health. 41. 306-312 (2003)
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[Publications] Shibata E: "Assessment and control of sick house syndrome at work--Exposure to chemicals in construction"Proceedings of 2003 International Symposium on Indoor Air Quality and Health Hazards. 235-241 (2003)
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[Publications] Zhou X: "Effects of cystein on the cytotoxicity of arsenic compounds."Arch Environ Contain Toxicol. 45. 324-330 (2003)
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[Publications] Horiguchi N: "Galectin-1 Induces Cell Adhesion to the Extracellular Matrix and Apoptosis of Non-Adherent Human Colon Cancer Colo201 Cells"J.Biochem. 134. 6869-6874 (2003)
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[Publications] 圓藤陽子: "光触媒蛍光灯による環境中ホルムアルデヒド濃度の低減化 その1. 医学部解剖学準備室における実験"生活衛生. 47. 261-268 (2003)
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[Publications] 東実千代: "室内のフタル酸エステル濃度と健康影響に関する事例研究"家政学研究. 50. 1-10 (2004)
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[Publications] 圓藤陽子: "ペルメトリン"産衛誌. 45(suppl). 139-140 (2003)
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[Publications] 圓藤陽子: "ホルムアルデヒドパッシブサンプラーの捕集率検討について"産衛誌. 45(suppl). 499 (2003)
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[Publications] 大森佐與子: "環境金属汚染による感作性物質の特定に関する研究"Biomed Res Tracee Elements. 14(4). 279-283 (2003)
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[Publications] 黒田孝一: "5価ジメチルヒ素大腸菌代謝物の毒性"Biomed Res Tracee Elements. 14(1). 141 (2003)
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[Publications] 圓藤陽子: "光触媒蛍光灯による室内環境中ホルムアルデヒド濃度の低減化"公衛誌. 50(10). 919 (2003)
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[Publications] 池田浩己: "当科におけるシックハウス症候群様患者に対する対応"アレルギー. 52(2・3). 393 (2003)
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[Publications] エポキシ樹脂技術協会編: "総説 エポキシ樹脂"エポキシ樹脂技術協会. 1088 (2003)
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[Publications] 野村拓監修: "21世紀の医療政策づくり"本の泉社. 212 (2003)