2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370140
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
竹内 亨 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00188161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 隆夫 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (30136866)
胥 宝会 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00264408)
青山 公治 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70117472)
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Keywords | 活性酸素 / 酸化的損傷 / 運動 / 尿酸 / 8-ヒドロキシグアニン |
Research Abstract |
昨年度は11名の大学院生を対象に、同一の仕事量の嫌気運動と好気運動が生体に及ぼす影響を検討するため、血清・血球・尿を採取した。本年度はそれらの試料を解析した。指標には、活性酸素産生の指標と考えうる尿酸(血清・尿)、活性酸素による損傷(酸化的損傷)の指標である、F2-isoprostanes(F2IP、酸化的脂質損傷産物、随時尿・一日尿で測定)並びに8-hydroxydeoxyguanosine(8OHdG、酸化的DNA損傷産物、白血球で測定)、筋肉損傷の指標であるCPK(血清)を用いた。また運動負荷時には、仕事量の計算並びに酸素摂取量の測定も行った。解析の結果、嫌気運動群では好気運動群に比べ酸素摂取量が少ないにも関わらず、運動24時間後8OHdGが運動前に比べ有意に増加した。嫌気運動群では運動直後、運動24時間後ともに全員の8OHdGが運動前に比べ増加したが、好気運動群では運動により8OHdGが増加する者、低下する者が混在し、運動後有意に8OHdGが増加することはなかった。運動前値に対する増加率で表した血清尿酸増加率は、嫌気運動群が好気運動群より有意に高かった。しかしF2-IPは随時尿・一日尿とも両群に有意差は認めなかった。血清CPKは運動により増加せず、また両群間でも有意差を認めなかった。嫌気運動では負荷仕事量が制限されしまうため、大きな仕事量の運動を負荷することができなかった。また被検者は日頃から運動を行う大学院生であったため、今回の運動負荷は彼らにとっては過大な負荷とはならなかった。しかし、今年度の研究により、同じ仕事量の運動を行っても、運動の種類により誘発される損傷量が異なることが明らかとなり、好気運動群では酸素摂取量が増大したにも関わらず、損傷の有意な増加がないということが明らかとなった。 ヒトでの検討は負荷できる運動量の制限や運動習慣の影響を受けるため、今年度は運動量を調整しやすいラットを用い、習慣的な運動(水泳)が酸化指標や酸化ストレスに対しどのような影響を及ぼすかの実験を行い、その試料を得た。来年度はそれらの試料における、活性酸素関連指標を解析・検討し、健康保持増進に果たす運動の役割を解析する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Xu BH, et al.: "Role of Fas/Fas ligand-mediated apoptosis in murine contact hypersensitivity."Int.Immunopharmacol.. 3・7. 927-938 (2003)
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[Publications] Afzal, M., et al.: "Method to overcome photoreaction, a serious drawback to the use of dichlorofluorescin in evaluation of ROS."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 304. 619-624 (2003)
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[Publications] Nishibayashi H., et al.: "Helicobacter pylori-induced enlarged-fold gastritis is associated with increased mutagenicity of gastric juice, increased oxidative DNA damage, and an increased risk of gastric carcinoma."J.Gastroenterol.Hepatol.. 18・12. 1384-1391 (2003)
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[Publications] Matsushita, T., et al.: "Academic influence on Japan of Edmund Alexander Parkes, pioneer of modern hygiene."Environ.Health Prey.Med.. 9・1. 9-12 (2004)
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[Publications] 竹内 亨(分担執筆): "New予防医学・公衆衛生学"編集:岸礼子・古野純典・小泉昭夫・大前和幸、出版:南江堂. 392 (2003)