2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
永谷 照男 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40144018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳留 信寛 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00037441)
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Keywords | 職業 / 交替勤務 / 勤務時間 / 週休日数 / インスリン抵抗性 / 糖尿病 / 血清指標 / 疫学 |
Research Abstract |
当初の研究計画に従い、1 今年度は初年度であるため、追跡研究の基盤となるbaseline dataの収集に努めた。一医療機関の健診受診者のうち職業を有する男性22128名を一次対象者とした。この集団の受診票、問診票、検査成績からインスリン抵抗性症候群の評価に必要なデータ(現病・既往歴、血圧、血糖値、血清中性脂肪、血清HDL-コレステロール)やその交絡因子と考えられるデータ(年齢、身体特性、生活習慣、血液検査値など)を把握した。これらに加えて職業関連因子データ(職種、勤務時間、週休数、交替勤務など)を収集、入力、整理しデータベースを作成した。今回はこのデータから横断研究として、30〜59歳の現業労働者(日勤者:2824名、交替勤者:826名、職種は交替勤比率の高い運輸・通信、保安、生産の3職種に限定)で勤務制とインスリン抵抗性指標の関連性を検討した。この結果、50歳未満では交替勤者でインスリン抵抗性症候群の頻度が高いことが認められた。一方、50歳以上では反対の傾向が見られ、いわゆるhealthy-worker effectsの存在が考えられた。以上より、交替勤務はインスリン抵抗性を増加(=悪化)させる可能性が示された。これらの結果は日本産業衛生学会総会、およびInt Arch Occup Environ Healthに発表した。 2 一般的生活習慣とインスリン抵抗性に関する基礎資料を得るため、当該医療機関の健診受診者の過去データ(今回は1988〜2000年度分)を可能な範囲でデータベース化した。この累積データから、飲酒、喫煙、運動、教育と空腹時高血糖(126mg/dl以上)の発症に関する12年間の後向き追跡研究を行なった。対象者:男16829名,女8370名、発症者:男869名,女224名。Cox's proportional hazard modelを適用した結果、高血糖発症に対して、特に男性では飲酒は予防因子、喫煙は危険因子であることが示された。男女とも運動と教育は明確な結果が得られなかった。これらの結果は発表の準備中である。 付 データ収集にあたっては当該医療機関の協力を得ながら、健診受診者のプライバシーに充分配慮し、個人を特定できる情報は何ら使用しておりません。
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Research Products
(1 results)