2004 Fiscal Year Annual Research Report
入浴中急死の病態:高体温による循環不全の実験的研究
Project/Area Number |
14370146
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀 進悟 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80129650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相川 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40110879)
富田 豊 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50112694)
宮武 諭 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00306812)
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Keywords | 入浴 / 急死 / 高体温 / 熱中症 / サイトカイン / ショック / 循環不全 |
Research Abstract |
1)血漿サイトカイン測定 対照ラット(n=10)、43℃1時間入浴(n=4)、41℃3時間入浴(n=6)の実験終了時に採血し、遠心分離後に凍結した。サイトカイン測定(IL-1α、IL-1β、IL-6、TNF-α、CINC-1、CINC-3)はELISA法により行った。43℃1時間入浴では優位な変化を認めなかったが、41℃3時間入浴では、IL-1β、CINC-1の有意な上昇を認めた。以上より、ラットへの入浴による高体温負荷は、サイトカイン産生を誘導することが明らかとなった。 2)心拍出量測定 41℃入浴により体温は36.7±0.1℃から60分後に40.9±0.1℃、120分後に41.2±0.2℃に上昇した。平均動脈圧は108.4±9.7mmHgから60分後に158.8±5.8mmHgに上昇し、120分後に133.7±5.2mmHgへと低下した。心拍出量(熱希釈法)は120.3±26.4ml/minから、60分後に94.4±9.6ml/min、120分後に83.6±11.1ml/minに低下した。入浴負荷では初期に血管抵抗上昇、血圧上昇、心拍出量低下が出現し、その後に血管抵抗低下、心拍出量低下、血圧低下が出現することが示された。血管抵抗低下の際に心拍出量が低下する機序として、前負荷の低下が考えられた。 3)呼吸数測定 入浴(41℃・43℃)による血液温上昇と呼吸数および血行動態変化とを比較した。体温と有意な正の相関を認めたのは呼吸数であった(r=0.782,p=0.000)。心拍出量は弱いながらも負の相関を認めた(r=-0.385,p=0.04)が、心拍数、動脈血圧との相関は認められなかった。温浴の体温上昇を呼吸数により監視する可能性が示された。
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