2003 Fiscal Year Annual Research Report
寝たきりとなる過程の解明および老化予防介入プログラムの評価
Project/Area Number |
14370150
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
新開 省二 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所・地域保健研究グループ, 副参事研究員 (60171063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 秀紀 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所・地域保健研究グループ, 研究助手 (90260306)
藤原 佳典 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所・地域保健研究グループ, 研究員 (50332367)
熊谷 修 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所・地域保健研究グループ, 研究助手 (80260305)
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Keywords | 寝たきりとなる過程 / 老化予防 / 縦断研究 / 介入研究 / 地域高齢者 / 閉じこもり |
Research Abstract |
本研究は地域在宅高齢者を対象とした縦断研究および介入研究により、高齢者が寝たきりとなる過程を解明することと、老化予防をめざした学際的な介入プログラムが地域高齢者の各種健康指標に及ぼす影響を明らかにすることを目的にしている。研究事業の2年目にあたる本年度は、寝たきりとなる過程における「閉じこもり」の関与について分析するとともに、地域における介入プログラムの展開に注力した。新潟県与板町の65歳以上の在宅高齢者1,544人を2年間追跡し、生命予後および活動能力(歩行能力、IADL、ADL、認知機能)の変化を観察した。2年間で81人が死亡、追跡時は入院・入所中が57人、追跡調査拒否88人、その他の理由で調査不能が35人であり、追跡調査に応答したのは1,283人であった。初回調査時の外出頻度と総合的移動能力で分類された二つのタイプの「閉じこもり」(タイプ1とタイプ2)が生命予後や活動能力の変化に及ぼす影響を、性、年齢および初回調査時の慢性疾患の保有個数を調整して検討した。初回調査時にそれぞれの活動能力に障害のない人のみについての検討では、タイプ2閉じこもりが新規の活動能力障害を発生する相対危険度は、歩行障害2.30(95%CI,1.14-4.61)、IADL障害2.85(同1.20-6.82)、ADL障害1.63(0.87-3.06)、認知機能障害3.05(1.06-8.78)であった。次に、秋田県南外村における介入プログラムの展開については、2002年度から「TAKE10!」(高齢期における介護予防のための運動・栄養プログラム)を作成し、これを教材として、行政の保健事業や地域組織活動において、運動習慣の定着と低栄養の予防についての啓発活動を進めてきた。地域高齢者の血清アルブミン値の上昇や運動習慣をもつ人の割合の増加などに効果が現れつつある。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 金貞任, 新開省二, 熊谷修, 他: "地域中高年者の社会参加の現状とその関連要因-埼玉県鳩山町の調査から-"日本公衆衛生雑誌. (印刷中).
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[Publications] 藤田幸司, 藤原佳典, 熊谷修, 他: "地域在宅高齢者の外出頻度別にみた身体・心理・社会的特徴"日本公衆衛生雑誌. (印刷中).
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[Publications] 熊谷修, 渡辺修一郎, 柴田博, 他: "地域在宅高齢者における食品摂取の多様性と高次生活機能低下の関連"日本公衆衛生雑誌. 50(12). 1117-1124 (2003)
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[Publications] Fujiwara Y, Chaves P, Takahashi R, et al.: "Arterial pulse wave velocity as a marker of poor cognitive function in an elderly community-living population"Journal of Gerontology. (in press).
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[Publications] Kumagai S, Watanabe S, Shibata H, et al.: "An intervention study to improve the nutritional status of functionally competent community-living senior citizens"Geriatrics Gerontology International. 3(Suppl). S21-S26 (2003)
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[Publications] Shinkai S, Kumagai S, Fujiwara Y, et al.: "Predictors for the onset of functional decline among initially non-disabled older people living in a community during a 6-year follow-up"Geriatrics Gerontology International. 3(Suppl). S55-S62 (2003)
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[Publications] 新開 省二: "こんにちはお元気ですか-高齢者の閉じこもり予防"新企画出版. 17 (2002)