2004 Fiscal Year Annual Research Report
内部監視の免疫機構(innate immunity)における肝リンパ球の重要性
Project/Area Number |
14370162
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
安保 徹 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30005079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関川 弘雄 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (50018694)
渡部 久実 琉球大学, 遺伝子実験センター, 教授 (50143756)
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Keywords | 自己免疫疾患 / 胸腺外分化T細胞 / B-1細胞 / ヒト肝リンパ球 / B-2細胞 / 肝移植 / NZB / WF_1マウス / マラリア |
Research Abstract |
マラリア原虫は赤血球や肝細胞に侵入するため、通常のT, B細胞の働きが及ばない。このため胸腺外分化T細胞と自己抗体産生B-1細胞の活性化が起こることを見い出してきた。つまり、自己応答性によって原虫感染自己細胞を攻撃していたのである。これまでの研究はマウスを主体にして進めてきたが、ヒトでもこの反応が起こっていることを明らかにできた。また、マウスの研究で肝臓に新しく造血巣が出現することが明らかになった。マラリア原虫は新鮮な分化したての赤血球が感染源となっているので、このようにして起きた肝造血がマラリア感染拡大の重要なファクターなのであろう。次に、TAP-1マウスの研究が完成した。TAP-1マウスはMHC class I抗原の発現ができなくなっているので、いわゆるmissing selfの出現として理解できそのモデルとなる。この系でもmissing selfを認識し排除に当たっているのは、胸腺外分化T細胞を中心としてinnate immunityであることを明らかにした。innate immunityは異常自己の排除に必須のものであると理解できた。このような現象はこの他、ストレス、肝部分切除、アミロイドーシスなどの異常自己の出現する疾患でも共通する現象として出現していた。特に、胸腺外分化T細胞やB-1細胞と共に出現する顆粒球も病態形成に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。さらに、平成16年度は、マラリア感染における赤血球造血因子であるエリスロポエチンの作用に関して研究を行い、エリスロポエチン投与によりマラリア感染の悪化がおこり、逆に抗エリスロポエチン抗体投与により、マラリア感染が軽快することを見い出した。
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Research Products
(6 results)