2002 Fiscal Year Annual Research Report
解毒・排泄機構の臓器相関と関連遺伝子の導入による機能改善に関する研究
Project/Area Number |
14370178
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
足立 幸彦 三重大学, 医学部, 教授 (50111026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉置 繁憲 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (80260602)
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Keywords | トランスポーター / 遺伝子導入 / multidrug resistance-associated protein / organic anion transporting polypeptide / Eisai hyperbilirubinuria / short interfering RNA / 臓器相関 |
Research Abstract |
足立は、有機アニオントランスポーターの一つであるmultidrug resistance-associated protein 2(mrp2)が欠損しているEisai hyperbilirubinuria rat(EHBR)の肝細胞および腎細胞を用いて基底膜側およびapical側にある各種有機アニオントランスポーターの発現変動を検討した。EHBRでは肝および腎細胞におけるmrp3の発現が増強し、肝細胞におけるorganic anion transporting polypeptide 1(oatp1)およびoatp2の発現が低下することをmRNAおよび蛋白レベルで明らかにした。Mrp1,mrp4およびmrp6についても検討したが有意な変動は認められなかった。また、蛍光免疫染色を行い、EHBRでは腎臓のmrpr3が腎近位尿細管上皮細胞の基底膜側に強く発現していることを明らかにした。 また、肝癌および腎癌由来の培養細胞において各種トランスポーターの発現検討を行い、MRP2遺伝子導入に適した細胞株の選別を行っている。さらに、MRP2の発現を抑制するshort interfering RNA(siRNA)を作製し、これをMRP2発現標的培養細胞にtransfectionすることでMRP2欠損の細胞モデルを作成中である。 玉置は肝由来の培養細胞であるHepG2のmRNAを抽出し、至適なlong Polymerase chain reaction(PCR)用DNA polymeraseを用いてhuman MRP2 cDNAをfull length(約4.7kb)の形で増幅した後、クローニングすることに成功した。現在、クローニングしたcDNAの塩基配列の確認を行っており、このcDNAを使用したhuman MRP2の発現ベクターの構築を行っていく。
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