2003 Fiscal Year Annual Research Report
肺線維化に対する再生修復関連分子の役割と制御についての分子遺伝学的検討
Project/Area Number |
14370199
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
瀬戸口 靖弘 順天堂大学, 医学部, 講師 (90206649)
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Keywords | 肺線維症 / 線維芽細胞 / myofibroblast / Smad7 / Smad2 / Smad3 / colla / γ-インターフェロン |
Research Abstract |
1.肺組織検体の標本を用いてSmad7,リン酸化Smad2/3の発現を免疫組織染色で評価した結果、リン酸化Smad2/3の発現は、肺線維化肺において極めて強く、またSmad7の発現は、低下していた。Western-blottingにおいても同様の所見を得た。Realtime PCRを用いた転写レベルの評価では、Smad7の発現はSmad2,Smad3と変わらなかった。これは、前年度おこなったSmad7の転写制御領域のmutationが存在しなかったことを加味すると肺線維症肺では、Smad7の転写がプロモーター領域のmethylation或いはSmad7蛋白のdegradationが亢進していることが推測された。 2.臨床検体から得られた肺線維芽細胞を使った培養実験 i.リン酸化Smad2/3,Smad7の発現は、肺組織検体を使った免疫組織染色、western-blotの結果と一致した。 ii.コラーゲンゲルを使った線維芽細胞収縮力をみた細胞生理学的検討では、肺線維症のほうが非線維症肺のものより強い収縮力をしめし、またγ-IFN存在下においても収縮力は低下しなかった。Smad7遺伝子導入を行うと収縮力の抑制がかかった。 iii.肺線維症肺からの線維芽細胞は、TGF-β非存在下においてもα-SMA、collagen発現を認め、またγ-IFN存在下においても発現は低下しなかった。一方、Smad7を遺伝子導入を行ったところα-SMA、collagen発現は低下した。 以上から肺線維症肺における線維芽細胞は、非線維化肺の線維芽細胞とことなりmyofibroblast様の性格をおびていることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Funaki T.: "Smad7 suppress the inhibitory effect of TGF-beta2 on corneal endothelial cell proliferation"Cornea. 22. 153-159 (2003)
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[Publications] Sumiyoshi K: "TGF-b/Smad signaling inhibits IFN-γ and TNP-α induced TARC(CCL17)production in HaCaT cells"J Dermatol Sci. 31. 53-58 (2003)
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[Publications] Sumiyoshi K: "Smads regulate collagen gel contraction by human dermal fibroblasts."Br J Dermatol. 149. 464-470 (2003)