2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370226
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
檜垣 實男 愛媛大学, 医学部, 教授 (70189744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大蔵 隆文 愛媛大学, 医学部, 講師 (40260385)
荻原 俊男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60107042)
楽木 宏実 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20252679)
勝谷 友宏 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30311757)
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Keywords | 遺伝子解析 / 高血圧 / 遺伝疫学 / 遺伝子-環境相互作用 / レニン-アンジオテンシン系 |
Research Abstract |
高血圧およびこれに関係する循環器病の遺伝-環境相互作用の検討を行った.これまでに愛媛大学において患者の同意を得た肥大型および拡張型心筋症患者からDNAを採取している.肥大型心筋症では心房細動を発症してくるものは予後不良である.アンジオテンシン変換酵素遺伝子多型と心房細動の発症はII型で有意に高値であった.さらに炎症関連遺伝子多型と疾患感受性との関連について検討し、拡張型心筋症ではMonocyte Chemoattractant Protein-1(MCP-1)の遺伝子多型が、肥大型心筋症では内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の遺伝子多型が疾患感受性に関与していることを明らかにした.また各種循環器病に共通する病態についても検討した.なかでもインスリン抵抗性は,最近注目されているメタボリック症候群の基本的病態として,各種の循環器病の発症に重要な役割を果たしている.我々はインスリン抵抗性が,高血圧だけでなく,広く高血圧性心肥大や肥大型心筋症の病態にも遺伝的にかかわっていることを明らかにした.また我々は高血圧・循環器病の原因候補遺伝子として転写因子C/EBPの研究を進めており,C/EBPδの働きに重要な関与をしているインターロイキン10に注目してその多型と循環器疾患との関連について検討を行った.現時点でインターロイキン10遺伝子多型は59歳以上の高齢者では若中年者に比して頻度に有意差が認められており,寿命に影響するなんらかの疾患,おそらく重症の循環器病との関連が示唆されており,現在検索を進めている.今回の遺伝子解析結果から,アンジオテンシン変換酵素遺伝子多型が肥大型心筋症の心血管イベントの発症に関与している可能性がさらに強く示唆された.またインスリン抵抗性や炎症など循環器病の共通病態の解析の重要性も明らかになった.
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Research Products
(7 results)