2002 Fiscal Year Annual Research Report
JNK標的分子の同定による心筋アポトーシス分子機構の解明と治療的応用
Project/Area Number |
14370229
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
青木 浩樹 山口大学, 医学部, 客員助教授 (60322244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 安宏 山口大学, 医学部, 寄附講座教員 (00260349)
吉村 耕一 山口大学, 医学部, 寄附講座教員 (00322248)
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Keywords | c-Jun N-terminal kinase / JNK / アポトーシス / 心筋細胞 / 酸化ストレス / カスパーゼ / ミトコンドリア / アデノウイルス・ベクター |
Research Abstract |
心筋アポトーシスとc-Jun N-terminal kinase (JNK)活性化の関連を検討するために、以下のモデルシステムと、JNK系を特異的に操作するためのアデノウイルス・ベクターを作成した。狭心症、心筋梗塞などの虚血性心臓病や心不全など、心筋アポトーシスが関連すると思われる病態は、殆どの場合成人で見られるため、モデルシステムとして成体ラット心筋細胞の安定培養系を確立した。JNKを発現するアデノウイルス・ベクターを作成し、さらにJNK系を特異的に活性化する分子(MKK4およびMKK7)の活性型変異体あるいは抑制型変異体を発現するアデノウイルス・ベクターを作成した。これらを用いて、JNK系の活性化は成体ラット由来心筋細胞のアポトーシス誘導に充分であること、ならびに酸化ストレス刺激によるアポトーシスにJNK活性が重要であることが示された。酸化ストレスあるいはJNK直接活性化によるアポトーシスは、ミトコンドリア系カスパーゼの阻害剤により抑制されたため、JNK系はミトコンドリア経路のアポトーシス機構を活性化することが示された。成体ラット心筋から精製されたミトコンドリアと、活性化リコンビナントJNKを混合することにより、ミトコンドリアからチトクロムcを含むアポトーシス誘導因子が放出されることが認められた。これらの知見から、JNK系がミトコンドリア経路アポトーシス機構を活性化する際には、必ずしも他の細胞成分を必要としないことが示された。JNKでリン酸化されるミトコンドリアタンパクを精製し、アミノ酸配列を分析したところ、いずれもミトコンドリア内の代謝に関わるタンパクであることが示され、現在さらに検討を重ねている。
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Research Products
(1 results)