2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370248
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
石井 榮一 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (20176126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大賀 正一 九州大学, 医学部付属病院, 講師 (60233053)
安川 正貴 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60127917)
山本 健 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60274528)
笹月 健彦 国立国際医療センター, 研究所長 (50014121)
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Keywords | 原発性血球貪食症候群 / perforin遺伝子 / マイクロサテライトマーカー / 細胞障害活性 / マウスモデル |
Research Abstract |
原発性血球貧食症候群(FHL)の機能解析と新規遺伝子の同定を進めており、興味深い結果が得られつつある。 1.まずFHL症例の末梢血中のT細胞およびNK細胞におけるperforinの発現をFACS解析した。さらにsequencing解析にて変異部位を同定し、日本におけるperforin異常の実態を明らかにした。 2.さらにperforin発現が正常の症例では第2の責任遺伝子解析を進めている。これまでに連鎖が報告されている9q21.3-22(D9S1867-D9S1790間、約5.5Mb)に新規マイクロサテライトマーカーを検索した。ゲノム配列NT023935上にCAリビートを120ヶ所見出し、リピートの多型を検討したところ、89個に多型性を認めた。これらの新規マーカーの平均間隔はマイクロサテライトマーカーによる連鎖不平衡の検出に十分な62kbであり、D9S1867-D9S1790間の詳細なホモ接合マッピングおよび相関解析を進めている。 3.また平行してperforin以外に考えられる2、3の遺伝子につき変異の有無をsequencing解析中である。 4.一方、FHLはperforinに見られるように細胞傷害性T細胞(CTL)の細胞傷害機構に異常があると考えられる。我々は、perforin欠損FHL由来細胞を用いて、ヒトCTLにおいては、CD8+CTLに加えてCD4+CTLも主要な細胞傷害経路は、perforin/granzyme経路であることを明らかにした。 5.さらにperforin欠損FHL細胞では細胞障害活性がゼロであるがperforin欠損のないFHL細胞でも細胞障客活性が低値であり、perforin遺伝子異常と細胞障害活性の相関が明らかとなった. 6.FHL患者の末梢血から樹立されたT細胞株をマウスに移植すると、網内系組織のみならず末梢血や中枢神経にもT細胞が浸潤することが明らかとなった。このようなマウスモデルもFHLの病態を明らかにする上で重要な知見を与えてくれる。引き続き二次性血球貧食症候群との比較を行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 石井榮一, 木村暢宏, 安川正貴, 今宿晋作: "遺伝性(家族性)血球貪食症候群の異質性"炎症と免疫. (印刷中). (2003)
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[Publications] Yanai F, Ishii E, Kojima K, et al.: "Essential roles of perforin in antigen-specific cytotoxicity mediated by human CD4^+ T lymphocytes : analysis using the combination of hereditary perforin-deficient effector cells and Fas-deficient target cells"J Immunol. 170. 2205-2213 (2003)
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[Publications] Yoshida N, Ishii E, Oshima K, et al.: "Engraftment and dissemination of T lymphocytes from primary hemophagocytic lymphohistiocytosis in scid mice"Br J Haematol. (in press). (2003)
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[Publications] Ueda I, Morimoto A, Ishii E, et al.: "Characteristic perforin gene mutations of hemophagocytic lymphohistiocytosis in Japan"Br J Haematol. (in press). (2003)