2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入及び幹細胞移植技術を応用した遺伝性神変性疾患の治療法の開発
Project/Area Number |
14370253
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
島田 隆 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20125074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
右田 真 日本医科大学, 医学部, 助教授 (50256963)
平井 幸彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (10089617)
望月 秀樹 順天堂大学, 医学部, 講師 (90230044)
西 克典 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00138257)
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Keywords | 遺伝子治療 / 細胞治療 / 異染性ロイコジストロフィー / アリルサルファターゼ / 神経幹細胞 / 多能性幹細胞 / 脂肪組織由来幹細胞 |
Research Abstract |
ASA(AlylsulfataseA)酵素欠損症であるMLD(Metachromatic leukodystrophy)の細胞遺伝子治療法の開発を進めている。 1)AAVベクターの開発:これまでの2型に加え、1、5、8型のサブタイプのAAVベクターの作製に成功した。マウスへの遺伝子導入実験の結果では脳組織では2、5型が、筋肉組織では1、8型が高い導入効率を示した。現在、サルを使った特異性の検討をすすめている。 2)神経幹細胞を使った細胞遺伝子治療:マウス胎児より神経幹細胞(Neursphere)の調整を行い神経細胞、グリアへの分化を確認した。HIVベクターによりASAを高発現している幹細胞を脳内に注入した1月後の解析ではドナー細胞のみならず、周囲のレシピエント細胞でもASAの発現が認められ、ASAの分泌と取り込みが示唆された。さらに、治療側でのスルファチドの消失が確認された。 3)多能性組織幹細胞への遺伝子導入:ラットやマウスから採取した脂肪組織由来ストローマ細胞が、脂肪細胞・軟骨芽細胞・骨芽細胞・神経細胞・筋肉線維芽細胞・骨髄細胞の各細胞へ分化することを確認した。これらの細胞はHIVベクターによる遺伝子導入が可能であり、細胞遺伝子治療のためのキャリアーとしての応用を検討している。 3)FGEによるASAの活性化:ASAなどのサルファターゼの活性には転写後の修飾が必須であることが明らかになった。修飾酵素として最近クローニングされたFGE(またはSUMF1)の影響を検討した。培養細胞のみならず、マウス肝臓での遺伝子発現実験において、ASAとFGEの強い相乗効果が認められた。現在、ASAとFGEの共発現ベクターを構築し、MLDモデルマウスでの治療効果を測定している。
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Research Products
(18 results)