2002 Fiscal Year Annual Research Report
色素性乾皮症A群モデルマウスへのHVJ-リポゾームを用いた長期的な遺伝子治療
Project/Area Number |
14370258
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
錦織 千佳子 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50198454)
|
Keywords | 色素性乾皮症 / 紫外線 / 皮膚癌 / HVJ-リポゾーム / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
色素性乾皮症(XP)は紫外線によってDNAに生じた傷を修復する酵素を欠損するために、日光露光部に皮膚癌を生じる、高発癌性遺伝疾患で日本では除去修復能が低く、露光部の皮膚癌の発症も早く、神経症状を伴う相補性A群が最も多い。ヒトへの遺伝子治療を目指して、まずXPモデルマウスでの遺伝子治療の開発を行った。導入する遺伝子は将来のヒトへの応用を目指してひとXPA遺伝子とした。最近遺伝子導入のひとつの方法として効率の高い導入が可能とされているHVJリポゾームにXPA遺伝子を封入してXPAマウス細胞へ導入し、修復能の回復、細胞への傷害性の程度を分析し、XPA-HVJ-リポゾームの効果を評価した。ベクターはサイトメガロウイルスのエンハンサーとβ-actionのプロモーターをもつpCAGGSにヒトXPAcDNAを組み込んだpCAGGS-XPA並びにpcDNA 3のEcoRIサイトにXPA遺伝子を組み込みHAtagをつけたpcHA-XPAを用いた。ベクターののHVJ-リポゾームへの封入には大阪大学金田安史博士の協力を得た。予め紫外線照射48時間前にXPA-HVJ-リポゾームをXPAマウスの背部皮膚に処理、あるいは24時間前に皮内注射しておき、同部のUVB500J/m^2紫外線照射を週1-2回3か月間行った。一群に3匹ずつしかマウスの匹数を確保できていないが、pcHA-XPA処理群ではコントロールベクター処理群よりも明らかに発癌頻度の減少、生存期間の延長が見られた。ヒトXPA遺伝子がin vivoのマウス細胞で働くこと、紫外線誘発皮膚腫瘍の抑制に効果があることが示唆された。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Kitoh A, Arima Y, Nishigori C, Miyachi Y: "Tissue adhesive causes postopeufive allergic meningitis"Lancet. 359. 1669-1670 (2002)
-
[Publications] Kambe N, Kitao A, Nishigori C, Miyachi Y: "Late phase urticaria update"Current allergy and asthma reports. 2. 288-291 (2002)
-
[Publications] 錦織千佳子: "太陽紫外線によるDNA損傷"太陽紫外線防御委員会学術報告集. 12. 39-46 (2002)
-
[Publications] Katoh M, Arima Y, Nishigori C et al.: "Photopatch tests at kyoto university Hospital"Phetomedicine and photobiology. 24. 89-90 (2002)
-
[Publications] Sasaki M, Horikoshi T, Hirotsu S, Uchiwa H, Nishigori C, Miyachi Y: "Nitric oxide involvement in apoptosis by ultraviolet radiation"Photomed.Photobiol.. 24. 55 (2002)
-
[Publications] Chikako Nishigori: "Photoagiug and oxidafive stress"Experimental Dermatology. Suppl(in press).
-
[Publications] 錦織千佳子: "最新皮膚科大系"中山書店(印刷中).