2004 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルス関連皮膚リンパ球増殖性疾患の病態と予後に関する研究
Project/Area Number |
14370261
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岩月 啓氏 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80126797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 貴司 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80203884)
浅越 健治 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80294461)
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Keywords | EBウイルス / 潜伏感染 / γヘルペスウイルス / 種痘様水疱症 / 蚊刺過敏症 / 慢性活動性EBウイルス感染症 / NK細胞リンパ腫 |
Research Abstract |
EBウイルス関連T/NK細胞増多症の病態解明と治療法確立を目的に,ウイルス感染様式,樹立細胞クローン解析,ウイルス抗原発現様式,ウイルス排除についての研究を実施した. 1.樹立細胞におけるEBウイルス遺伝子の発現様式:患者末梢血からEBウイルス感染NK細胞株とT細胞株を樹立した、多くの細胞はEBNA遺伝子のQpプロモーターを使用してEBNA1を発現し,EBNA-1とLMPを発現している(Latency II型)が,クローンによってはI型も認められた. 2.EBウイルス感染細胞クローンの解析:慢性活動性EBV感染症や蚊刺過敏症では末梢血に優位なNK/T細胞クローンが検出されるが,優位のクローンのほかにNK, T, B細胞にもウイルスが感染したオリゴクローンの状態であることが明らかになった. 3.臨床病型の決定要因:種痘様水疱症ではT細胞浸潤,蚊刺部ではNK細胞浸潤が特徴的であり,患者末梢血のEBウイルス感染T, NK, B細胞のプールから,紫外線,蚊刺などの刺激で,特定の細胞が選択的に病変部に浸潤し,宿主細胞傷害性T細胞の反応を介して,特有の臨床像を形成すると考えられた.本研究によって病変部での再活性化の証拠が得られた. 4.潜伏感染関連遺伝子発現制御の試み:mutant EBNA-1を細胞導入することによって,ドミナント・ネガティブ効果によってEBウイルスエピトープを排除できた(Molelular Therapy掲載予定).潜伏感染ウイルス排除の新治療法のプロトタイプになり得る. 5.EBウイルスDNAコピー数解析と臨床的意義:EBウイルスのEBNA1遺伝子領域を組み込んだプラスミドを作製し,EBウイルスDNAを定量的にモニターできるrealtime PCR法の臨床応用を可能にした.
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Research Products
(7 results)