2003 Fiscal Year Annual Research Report
デスモソーム異常に起因する自己免疫性および遺伝性皮膚疾患の病因解明
Project/Area Number |
14370264
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
橋本 隆 久留米大学, 医学部, 教授 (20129597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辛島 正志 久留米大学, 医学部, 講師 (70211175)
安元 慎一郎 久留米大学, 医学部, 助教授 (10220162)
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Keywords | デスモソーム / デスモコリン / デスモヨーキン / エンポプラキン / ペリプラキン / デスモグレイン / 天疱瘡 / 遺伝子検索 |
Research Abstract |
私共は既に、エンボプラキンは直接、また、ペリプラキンはエンボプラキンを介して間接的にケラチン中間径線維に結合することを示した。今回、多数の腫瘍随伴性天疱瘡患者血清の皮応をpost embedding免疫電顕で観察した。その結果、腫瘍随伴性天疱瘡患者血清はデスモソーム部の細胞間には強い反応が見られず、ケラチン中間径線維に強い反応を示した。この結果は、エンボプラキンとペリプラキンの分布をさらに確認するものと考えられた。 デスモヨーキンのノックアウトマウスを用いた検討で、デスモヨーキンの中央部とC末端部に対する抗体を作成してその反応性を検討したが、デスモヨーキンは完全に消失していた。しかし、臨床的には水疱を作らず、電顕学的検索でも、デスモソームの異常を認めなかったため、デスモヨーキンは直接デスモソームの接着に関与していないことが示唆された。さらに、デスモヨーキンは癌抑制遺伝子であることが示唆されていたが、長期の観察と発ガン物質の塗布による実験では、腫瘍の発現は見られなかった。 1例の先天性表皮水疱症患者で、尋常性天疱瘡類似の表皮基底層直上に、棘融解性水疱の形成を認めたため、尋常性天疱瘡の自己抗原であるデスモグレイン3の遺伝子異常が疑われた。デスモグレイン3の全遺伝子の解析で変異が見つからないためデスモグレイン3の異常ではないと考えられた。代わりに、表皮基底層に発現するケラチン5の遺伝子に変異を検出したため、この水疱形成は、ケラチン5がデスモソームに接着する機構に異常があることが示唆された。 IgA天疱瘡のうち、以前、私共は、SPD型の自己抗原はデスモソームカドヘリンの一種のデスモコリン1であることを示したが、IEN型の抗原は未同定である。今回は、post embedding免疫電顕を用いた検索で、IEM型のIgA天疱瘡の抗原はデスモソーム以外の部位に存在することを示した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kozlowska A, Hashimoto T, Jarzabek-Chorzelska M, Amagai M, Nagata Y, Strasz Z, Jablonska S: "Pemphigus herpetiformis with IgA and IgG antibodies to desmoglein 1 and IgG antibodies to desmocollin 3"J Am Acad Dermatol. 48. (2003)
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[Publications] Hashimoto T: "Recent advances in the study of pathophysiology in pemphigus (Review article)"Arch Dermatol Res. 295. (2003)
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[Publications] Hisamatsu Y, Abreu Velez AM, Amagai M, Ogawa MM, Kanzaki T, Hashimoto T: "Comparative study of autoantigen profile between Colombian and Brazilian endemic pemphigus foliaceus by various biochemical and molecular biological technique"J Dermatol Sci. 32(1). (2004)
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[Publications] Futei Y, Amagai M, Hashimoto T, Nishikawa T: "Conformational epitope mapping and IgG subclass distribution of desmoglein 3 in paraneoplastic pemphigus"J Am Acid Dermatol. 49(6). (2003)
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[Publications] Shimanovich I, Hirako Y, Sitaru C, Hashimoto T, Brocker EB, Butt E, Zillikens D: "The autoantigen of anti-p200 pemphigoid is an acidic noncollagenous N-linked glycoprotein of the cutaneous basement membrane"J Invest Dermatol. 121(6). (2003)
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[Publications] Ishii N, Ishida-Yamamoto A, Hashimoto T: "Immunolocalization of target autoantigens in IgA pemphigus"Clin Exp Dermatol. 29(1). (2004)
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[Publications] 橋本 隆: "図解皮膚科学テキスト"中外医学社. 235 (2003)