2002 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞の移植とサイトカイン刺激により放射線腸障害からの回復を試みる実験的研究
Project/Area Number |
14370267
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
阿部 由直 弘前大学, 医学部, 教授 (10167950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 英宏 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (70333721)
青木 昌彦 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (70292141)
柏倉 幾郎 弘前大学, 医学部, 教授 (00177370)
工藤 幸清 弘前大学, 医学部, 助手 (10214967)
中根 明夫 弘前大学, 医学部, 教授 (30164239)
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Keywords | ES細胞 / 放射線腸障害 / 再生医療 / 増殖促進因子 / フリーラジカル |
Research Abstract |
研究目的 放射線腸障害は致死的な放射線傷害であり腸腺窩の再生が鍵を握る。この治療法を開発する目的でES細胞の腸管移植による再生について検討する。以下の事項について本研究で確認する。 1.照射された腸管にマウスES細胞の移植と生着を確認すること。 2.ES細胞の生着を賦活するために,照射腺窩における腫々の物質による再生賦活を検討する。 研究成果 研究1.放射線放射線障害小腸に対するES細胞の移植と生着について 小腸の一部に安全に照射する方法を開発した。本法を用いることにより局所への大量放射線投与にもかかわらず長期生存することができ,ES細胞の移植,生着確認実験を可能とする。実験に30Gy照射13日目において肉眼的組織学的に小腸上皮の完全脱落が観察された。この母地にES細胞を打ち込む下準備として投与法について検討をおこなっており,近日中に移植と生着確認が可能になると考える。 研究2.小腸線窩における放射線傷害に対するサイトカイン等による修飾 上皮増殖促進因子であるβEGF,腸管障害防御作用を持つメラトニンおよびフリーラジカル除去剤の腸腺窩に対する放射線照射後の修飾について検討した。βEGFとメラトニンについては対照と差はなかった。しかし放射線障害の原因であるフリーラジカルを除去することにより腸障害が防護されることが実験で示唆されたので再確認を行なっているところである。 研究3.小腸増殖因子の解析 賦活する目的で非照射腺窩と照射腺窩でのDNA発現の比較については現在準備中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Iwasaki: "Practical method for estimating high-energy X-ray spectra using the iterative perturbation principle proposed by Waggener"Radiat Phys Chem. (印刷中).
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[Publications] A.Iwasaki: "A method for obtaining 4 and 10 MV X-rays spectra using iterative perturbation principle"Bull. Health Sci. Hirosaki. 2. 61-72 (2003)
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[Publications] A.Iwasaki: "Calculation for 10MV X-ray beam-axis doses in layered cork heterogeneity phantoms using a convolution method"Bull. Health Sci. Hirosaki. 1. 61-82 (2002)
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[Publications] 大畑 崇: "ラット実験腫瘍におけるインドシアニングリーンと近赤外光トポグラフィーを用いた癌診断法の基礎的研究"日本医学放射線学会誌. 62. 284-286 (2002)
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[Publications] 阿部由直: "癌治療とアポトーシス(古典的観点から)"癌の臨床. 48. 349-351 (2002)
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[Publications] 阿部由直(分担執筆): "正常組織障害"癌・放射線療法2002 篠原出版新社 大川, 田中, 佐々木編. 135-146 (2002)