2004 Fiscal Year Annual Research Report
光干渉利用断層画像システム(Optical Coherence Tomography:OCT)を用いた表在血管評価法確立のための基礎的研究
Project/Area Number |
14370272
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 直人 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10261992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 茂樹 東京大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (80222470)
増谷 佳孝 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20345193)
増本 智彦 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60302717)
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Keywords | 光干渉断層画像 / 光ファイバPZT位相変調器 / 動脈硬化性変化 / 超音波断層画像 / インフォーカス・コヒーレンスゲート検出光学系 |
Research Abstract |
光干渉断層画像装置(OCT)の供給元会社の買収やその後の薬事申請のための供給停止により、この研究のために購入予定であった装置自体の入手ができなくない状態で研究を開始した。そのために大幅な研究の遅れが生じたが、大阪大学の研究グループとの協力により下記の成果を上げることができた。 OCTを用いて皮下浅層動脈の動脈硬化性変化や糖尿病に伴う細動脈病変を非侵襲的に評価することを目的とした。標準的OCT装置の空間分解能は10-20μmであるが、現状装置の最大光到達深度1mmであるため、実験対象として皮下浅層に位置し、かつ、測定体位を取りやすい動脈として手指の近位指節間関節上の背側指動脈を選び、OCTの測定実験を試行した。その結果、光の到達深度が不足していること、描出範囲(FOV)が限定されるので動脈を検出してfield of view(FOV)内に確実にとらえることが困難であること、などの理由のために、非常に低い描出率しか得られず、測定法の最適化不能であった。光の到達深度をより深くするために光波長1.53μmのファイバ自然放出光源を用い、インフォーカス・コヒーレンスゲート検出光学系を構築し、高周波数プローブを用いた超音波装置とのコンビネーションによって目的血管をFOV内に描出する方法を開発中である。さらに体動によるmotion artifactの影響を最小化するために光ファイバPZT位相変調器を低コヒーレンス干渉計に組み入れた高速OCT装置を試作した。 これまでの研究は装置の開発が中心となっていたが、今後は臨床分野への応用のために実際のアプリケーションの開発に取りかかる。
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