2002 Fiscal Year Annual Research Report
中性子捕捉療法場のナノ・サイト・サイズ線量評価の研究
Project/Area Number |
14370280
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鬼塚 昌彦 九州大学, 医学部, 助教授 (30160899)
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Keywords | マイクロドジメントリー / 中性子 / 捕捉療法 / 硼素 / 線質 / 線量 |
Research Abstract |
BNCTにおける深部線量分布は熱外中性子の利用で格段に改善された。しかし、この熱中性子、熱外中性子、速中性子及びガンマ線の混在した照射場の線量評価には解決すべき問題が残されている。これまでに対電離箱や箔放射化法などで線量評価が行われきたが一致した結果が得られていない。この研究では微視的エネルギー付与の測定法(マイクロドジメトリー)の手法を用いて、この問題を解決することを目的としている。とくに、中性子による反跳陽子のエネルギーが数十keVより小さくなると電子を捕獲し中性水素粒子に変化する(Fainsteinら)との報告もあり、従来の線量評価法では解決できないと判断される。マイクロドジメトリーの手法はLETと類似したリニアル・エネルギーを測定出来るため、その線質(リニアル・エネルギーの関数として頻度分布、線量分布)を評価し、この問題の解決を計る。これまでの研究の発展として、ホウ素含有(50ppm)壁を持つ組織等価比例計数管でリニアル・エネルギーを測定し線質を評価する。今年度の実績の概要は硼素を含有しない検出器壁を持った比例計数管を用いて熱外中性子場の評価を行った。熱外中性子は組織等価ファントム内で熱化するが深さの関数としてのスペクトルはソフト化されていることが示された。金の放射化法と線量評価を比較すると良く一致する結果がえられた。マイクロドジメトリーの手法が中性子捕捉療法場の評価に有効であること示された。特に、中性子とγ線の混在する場に対して有効であった。
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Research Products
(1 results)