2002 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋骨の任意の点からヒトの脳機能・診断が行える超音波システムの開発
Project/Area Number |
14370284
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
畑 豊 姫路工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20218473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 敏雄 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30089883)
小橋 昌司 姫路工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00332966)
近藤 克哉 姫路工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00295750)
喜多村 祐理 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90294074)
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Keywords | 医用画像装置 / 超音波 / 頭蓋骨 / 画像処理 / ファジィ論理 / 脳科学 / リアルタイムシステム / 信号処理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、超音波装置を用いて人体の脳の内部構造を頭蓋骨の任意の点からリアルタイムに測定し解析することができるシステムを開発研究することである。本年度は以下の研究計画を実行した。 研究1:成人の頭蓋骨を透過させる超音波技術の研究 研究2:脳内部の物質を同定するための超音波技術の研究 それぞれの実績は以下の通りである。 研究1について:具体的に骨を透過したときの超音波波形の減衰率や周波数特性の変化を、受信用と送信用の2つのプローブを用いて頭蓋骨の2点間で測定し、そのデータ解析を行った。その結果、頭蓋骨の透過によって振幅の大きさが大きく減衰(約87%)すること、透過波の中心周波数は1.2MHzであることを確認した。さらに脳のMR画像とCT画像を参照データとして超音波の伝達経路解析を行った。その結果、頭蓋骨表面を通る波、頭蓋骨中を透過する波、脳表からの波の3種の信号を確認した。このように、2点プローブで頭蓋内の情報を検出できることを確認した。 研究2について:人工骨(ハイドロオキシアパタイト)を通して3種の素材(ごま豆腐、木綿豆腐、こんにゃく)の中の2種の組み合わせのファントム同定問題を解析した。信号解析には振幅の比率と中心周波数及びその上下3dB低下の周波数を用いた。この同定システムを、ファジィエキスパートシステムの理論を基盤として構成した。3種の素材からの6つの組み合わせのファントム70個を準備し、このファントムに対して各3回、合計240回の実験を行った。その結果全体で70%の同定率を確認した。更に、物質の微妙な堅さを同定する方法として、ファジィ推論を用いたシステムを構成した。ここでは、1から5%の濃度の寒天を生体ファントムとして作成し、濃度推定のシステムを作り上げた。全体の推定率は83.7%と高い値を得た。
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[Publications] K.Nagamune, S.Kobashi, K.Kondo, Y.Hata, Y.T.Kitamura, T.Yanagida: "Challenge to the Development of a Transcranial Sonography System"Knowledge-Based Intelligent Information Engineering Systems & Allied Technologies, KES2002, IOS Press. Part 1. 604-608 (2002)
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[Publications] T.Kimura, K.Nagamune, S.Kobashi, K.Kondo, Y.Hata, K.Taniguchi: "Tissue Elasticity Estimation from Ultrasonic Waveform Using Fuzzy Inference"Proc. of the Joint 1st Int. Conf. on Soft Computing and Intelligent Systems. (CDROM). (2002)
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[Publications] T.Shimizu, K.Nagamune, S.Kobashi, K.Kondo, Y.Hata, Y.T.Kitamura, T.Yanagida: "An Automated Ultrasound Discrimination System of Tissue under an Obstacle by Fuzzy Reasoning"Proc. of the Joint 1st Int. Conf. on Soft Computing and Intelligent Systems. (CDROM). (2002)
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[Publications] Y.Hata, T.Shimizu, S.Kobashi, K.Kondo, Y.T.Kitamura, T.Yanagida: "A Fuzzy Logic Approach to Transcranial Sonography System with Placement Free"Proc. 1st Int. Conf. on Information Technology & Applications. (CDROM). (2002)
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[Publications] 清水孝, 長宗高樹, 小橋昌司, 近藤克哉, 畑 豊, 喜多村祐里, 柳田敏雄: "超音波を用いた障害物下の材質のファジィ推論による自動推定"第18回フアジィシステムシンポジウム講演論文集. 245-248 (2002)