2004 Fiscal Year Annual Research Report
造血器腫瘍における異常DNAメチル化遺伝子同定による発癌機構の解明と診断への応用
Project/Area Number |
14370301
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松岡 雅雄 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (10244138)
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Keywords | 造血器腫瘍 / DNAメチル化 / サイレンシング / エピジェネティック / 発がん |
Research Abstract |
1)慢性リンパ性白血病細胞特異的メチル化領域の同定:慢性リンパ性白血病(B-CLL)細胞と正CD19陽性Bリンパ球を用いてMethylated CpG island amplification/representative difference assay(MCA/RDA)法によりB-CLL細胞で特異的に高・低メチル化されているDNA領域を単離した。B-CLL細胞で高メチル化されているDNA領域を5カ所、低メチル化されている領域を26カ所同定した。低メチル化領域は9,10,19番染色体のテロメアに集積していた。これらのDNA領域の近傍に存在する遺伝子の発現を解析したところ、腫瘍細胞と正常Bリンパ球で差がないものとあるものが混在しており、DNAメチル化の変化が遺伝子発現に関連する場合とそうでない場合があることが示された。MFI2,LAMB3遺伝子は腫瘍細胞で発現が増強しており低メチル化との関連が示唆された。また同一患者の病期進展に伴い低メチル化が進行しており病期との関連も示された。 2)MCA/RDA法により成人T細胞白血病細胞で低メチル化されている遺伝子として同定されたMEL1の発現、メチル化を骨髄球系白血病細胞株で検索したところ、発現を認め、かつATLと同様にalternative spliced formであるMEL1Sの発現が認められた。新鮮白血病細胞で解析したところ、半数でMEL遺伝子の発現を認めMEL1Sのみ発現している症例も2例認められた。このことからATLで示されたDNAメチル化によるMEL1遺伝子発現の変化は骨髄球系細胞でも存在することが明らかとなり、その腫瘍化への関与が考えられた。
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Research Products
(6 results)